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400字で分かる落語:「安産」
115:安産(あんざん)
【粗筋】 妻が妊娠を伝えようとするが、はっきり言うのが恥ずかしく、「酸っぱいものが食べたい」とか「見るものを見ない」とか「何か出来て」と言うのだが、にぶい夫はなかなか理解できない。ようやく子供が出来たと分かると大喜び、翌日から玩具を買って来たりする。いよいよ月満ちて産気づき、回りが右往左往する中、無事男の子を出産。夫が大喜びで、
「えっ、男の子……ありがてえ、ちょいと歩かせろい」
【成立】 三遊亭円生(6)はこの後「すぐに歩きゃあしない。安産というお笑いでございます」で下りていた。桂文治(9)は「まさか歩けません。この子が成長して親孝行をするという、おめでたいお噺で」と言っている。それで「お目出度や」「お産めでたや」という題もある。円生(4)は「越後屋角兵衛(角兵衛の婚礼)」に全編を入れて演じた。最初の妊娠告白は、「味噌蔵」などでも聞けるし、「寿限無」の導入で聞いたこともある。