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400字で分かる落語「馬大家」
「う」の73:馬大屋(うまおおや)
【粗筋】 丑年ウマれでウマれつき馬が大好きという大家、家を貸すのにも馬好きにしか貸さない。これを聞いて、何とかウマく借りようと大屋の問いに何でも「馬」尽くしで応える。好きな食べ物は「ウマ煮」、商売は「バ」ケツを売った後、曲馬団に入る。「旦那も奥さんも長い顔で、宇治川の先陣争いした佐々木・梶原のいけずき、するすみのようだ」という調子ですっかり大家がいい気持ちになり、馬の話が出る度にどんどん家賃を負けてくれるので、とうとう逆に小遣いを出すことになる。男が帰ると、かみさんが、「あんなに馬を器用に扱った人はいませんね」
「そりゃそうだ。前の商売が曲馬団だ」
【成立】 鈴木凸太作、三遊亭円歌(2)が演じた。古い速記では「あやうく尻尾を出しそうになりました」という落ち。午年が来る度に柳家さん助が演じていたが、「馬面だからこれをやれ」と周囲に勧められたのである。昭和53年に聞いたと思う。安永3(1773)年『御伽草』の「朋友」は、同郷の人と行き会って話をすると、「馬喰町でばくろ(馬の仲買)をして、今は馬左衛門と名乗っている」という。「馬づくしだね」というと「イヒヒヒンヒン」と笑ったという話。