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400字で分かる落語「うわばみ」

「う」の98:うわばみ
【粗筋】 「うわばみというのはどうしてうわばみなんです」
「昔、加賀の国で、旅人が松の木の下で昼寝をしていると、醤油樽ほどの大蛇が、松の枝から狙いすまして、一呑みにのんだ。上からはむからうわばみだ」
【成立】 天明8(1788)年『独楽新話』の「物しり」。寄席では知ったかぶりの枕や挿入で、ただし簡単に、「うわばみってのはどういう訳だ」「それは、うわがばむからうわばみだ」「うわってばむんですか」「ああ、ばむとも」となる。尚、「うわーッと来てばむ」こともある。「食べる」の古語に「食む(はむ)」というのがあるから、正しいのかな……って思わせるのが何だかおかしい。古文で蛇そのものを「はみ」と言ったので、落語の方は正解ではない。「うわ」は接頭語で、他と比べて「上」を現し、大きいの意味。要するに「大蛇」と同じ意味。来年はへびの年だから話題にどうぞ。ついでに言うと、蛇を方言で「なじ」「ぬじ」「ねじ」「のじ」というのがあるが、もう一つだけはない。だから「にじ」は蛇の意かも知れない。因みに漢字の「虫」は蛇の形から。


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