400字で分かる落語:「あ」の30「欠伸指南」
30:欠伸指南(あくびしなん):全3回の2
【一言】 落ちに「見ていて覚えた」と付けるのは説明しすぎだと思っていたら、上方の書籍では必ずそうなっている。導入部は2通りあって、看板が出たのを見て出掛けるものと、女の勧誘で行ったら先生の奥さんだったというもの。GHQがこれを聞いて、もっと生産的なことをしなさいと言ったという。立川談志(9)はこの怠惰こそ落語だと絶賛している。三遊亭金馬(3)は見事な演出で、客に大欠伸をさせ、「あのお客さんの方がご器用だ」
天保8(1837)年の賢恵法師の寺子屋教科書(3巻)に、女性が学ぶものとして、百人一首、医療などと並んで「あくび」がある。
欠伸の原因は脳に供給される血液中の酸素不足。仕事や勉強で脳を使うことが原因。脳はブドウ糖を分解して活動するので、他の筋肉の数十倍の酸素が必要。脳は体重の2%だが、使う酸素量は全体の2割。
他人の欠伸を見ると大脳皮質が刺激される。うつるのは事実。