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400字で分かる落語「縁切榎」

「え」の33:縁切榎(えんきりえのき)
【粗筋】 野呂井照雄という元旗本の次男坊、35歳になるがまだ独身。心配した道具屋の美濃屋半六が縁談を持ってくるが、実は二人の女に惚れられて困っていると言う。一人は柳橋の芸者・小いよ、もう一人は幼馴染のおとめ、別れ話を持ち出すと、小いよは泣くし、おとめは死ぬと言うし……それじゃあのろけじゃないか。美濃屋は、板橋に縁切榎というのがあり、その削り皮を使えば、誰とでも後腐れがなく別れることが出来ると教える。まずこれを手に入れて、どちらと別れるかはそれから考えようということにして、さっそく板橋へ出掛けて榎の皮をもらっていると、小いよとおとめが現れて、三人が顔を合わせることになってしまった。二人共、自分と他の女の仲を裂いて自分が女房になろうとするのだろうと、礼を言うと、二人そろって、「いいえ、あなたと縁が切りたいから」
【成立】 三遊亭円朝作。前半はのろけの一人語り、後半は二人の女性の登場で華やかになって前半と対照的……なのだろうなあ。
【一言】 人情ばなしと落語のあいの子でございます。(三遊亭円朝)

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