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400字で分かる落語:「味なこと」

47:味なこと(あじなこと)
【粗筋】 冥途といってもメイドめいど行ける場所ではない。生まれて初めて死んだ男が閻魔大王の前に引き出される。総天然色で生きている時代が再現され、毎日毎日嘘ばかり喋っていると追及される。本人は、落語家で裾をしゃべるのは営業上のものだと訴え、情状酌量が認められて、地獄行きが決まる。文句を言うと、実験中のロケットに乗って、うまくいけば極楽に行けるが、失敗したら命がないというのに挑戦。考えたらもう命は無くなっているのだからと、安心して乗り込んだ。ロケットは無事極楽の蓮池のほとりに到着し、散歩中のお釈迦様に助けられた。
「そうか、閻魔がロケットを打ち上げたか」「どうか、これをご縁によろしくお願いします」「うん……閻魔(縁は)異なもの……味なことをするわい」
【成立】 栗山すすむ作、春風亭柳昇の速記が雑誌に載っているが聞いたことはない。

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