400字で分かる落語「芋俵」
104:芋俵(いもだわら)
【粗筋】 泥棒の相談。一人が芋俵に入り、二人で担いで運び、店の前に置かせてもらうと、夜になって俵を店に入れるだろうから、中の男が出て仲間を引き込む作戦。俵に入って自分で担ぐのは無理だと分かり、与太郎を仲間にして俵に入れる。店に入れられるまではうまく行ったが、逆さまに立てられて出るに出られない。腹の減った小僧と女中が芋を盗みに来たが、手探りで芋を探すので中の男はたまらない。お尻を触られてくすぐったいのを我慢する途端に、ブウッ……「おや、気の早いお芋だ」
【成立】 明和4(1767)年『友達ばなし』の「あか子」。万延2(1861)年、桂松光のネタ帳『風流昔噺』の「伊勢道中あなとり咄但シ千代のことば落」、狂言『柚子俵』などに人俵の趣向がある。狂言は芋ではなく柚子。
柳家小さん(4)が演じた時、下げを言ってさっさと下りてしまった。客はしばらく考えて理解し、わっと笑い声が上がって後の演者が出れなくなったという。
【一言】 「怪我生えている」など言うのは「受けないからそういうことを言わなければならないので、自部の未熟を恥じなければならぬ」(柳家小さん(5)