見出し画像

400字で分かる落語:「朝すずめ」

42:朝すずめ(あさすずめ)
【粗筋】 空き巣に入ったら人がいて驚く。男は大泥棒で、この家は引越で家族が先に行き、明日の昼に荷物を運ぶが、子分らが朝に来て先に運び出すと言う。新米泥棒は子分になって、言われるままに荷造りを始めるが、親分は命じるだけ。新米は生まれつき朝寝坊、昼仕事はだめで泥棒を決意したと話す。疲れ切ってやっと荷造りを終えると、もう朝になりかけている。生まれて初めて見た朝露に心洗われる気持ちになり、一人で作った荷物を見て自分を見直し、泥棒をやめて仕事に励む決心をする。親分は、「じゃあこれで縁切りだ」と銭を出す。これが本当の働いた金だと言い、実はこの家の主人で、家族を先に行かせ、自分だけ荷造りをするのに残ったと告白。新米は改めて子分、いや左官の弟子にしてもらう。夜明け、軒先に雀がいる。
「これからは朝の雀も馴染みになるんだな」「さ、お天道さんを拝もうよ」
【成立】 宇野信夫の戯曲を脚色して、古今亭今輔(5)が演じた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?