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400字で分かる落語「馬の田楽」

「う」の77:馬の田楽(うまのでんがく)
【粗筋】 味噌を馬に乗せて届けるが、三州屋が留守で居眠りをする。三州屋に起こされるが、味噌は注文していないと言う。三河屋の間違いらしいと分かり、ではそちらへ行こうと思ったら、馬が見えない。子供が悪戯をして馬の尻尾を抜き、味噌を乗せたまま逃げたらしい。あちこち探し回って人に聞くが、耳の遠い婆さんだったり、余計なことばかり喋る男だったり、さっぱり要領を得ない。知り合いの虎十郎に出会うが、酔っぱらっている。
「虎十よぉ、味噌付けた馬は知らんかね」「えっ、味噌付けた馬ぁ……いやあ、俺ァまだ馬の田楽は食ったことがない」
【成立】 各地の民話にあるもの(『日本昔話集成』602)。元は上方噺で、桂春団治(1)が良かったというが、桂米朝しか聞いてない。
 宇井無愁は、最後の人物は酔っていない方がいいと書いているが、なぜ?
武藤禎夫は、江戸時代ではない、明治の雰囲気がいいと書いているが、どこが?
 東京では春風亭柳朝(5)の雰囲気がよかった。古今亭今輔(5)の速記があるのは珍品。最近では桂夏丸が素晴らしい。興津要が「春ののどかな田園風景が、その風景にふさわしいかずかずの人間像とともにスケッチ風にえがかれていて、春の田園絵巻の観がある。」と書いているのに納得。

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