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400字で分かる落語「いろがたき」

113:いろがたき
【粗筋】 吉原の佐香穂に男がいると聞いて相手の男を捕まえると、梅様と呼ばれる侍で、花魁とは深い仲ではないと否定され、村さんが馴染みと聞いてもう二度と来ないと言う。これがきっかけで一緒に座敷に上がるようになる。やがて梅様は国元に帰ることになり、村さんは最後になるかも知れぬと、丹精を込めて作った白梅の盆栽を届けるように頼んで、その夜は二人きりにしてやる。村さんも吉原へ行く気をなくしていたが、佐香穂が出家したと聞いて庵を訪ねて行くと、梅様が殿様に殉死し、菩提を弔う決意をしたのであった。そこに盆栽があり、まだ冬なのに花が咲いて鶯の声が聞こえる。
「佐香穂、梅さんが合いに来てくれたよ」
「これで本当に私も抱かれることが出来ました、法華経に」
【成立】 冨田龍一作。2003年夢丸新江戸噺の特別賞受賞作。享保5(1720)年、庄司勝富の『洞房語園異本』に原作がある。

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