400字で分かる落語「医-家族」
「い」の3:医ー家族(いいかぞく):
【粗筋】 医者一家。手術を前に局部麻酔を頼むと、看護師が注射をしたことがないと不安がっている。「失敗を重ねてうまくなるもんや」と励まして準備完了。女房のシャワーキャプをかぶって手術が始まるが、息子が来て、成績が悪いので医者を諦めると言い出す。「医者は頭じゃない、笑顔と根性だ」と説得にかかるので、焦ったのは手術中の患者、「先生、手術中ですよ」「それどころやない、待っとれ」「でも腹切ってしまったんでしょう」と苦しみ出した。病院に救急車を呼んでは世間体が悪いから、死ぬのを待つことに決める。
「そんなあほな」「嘘や、手術中に口を出すから脅しただけや」と、無事に手術を終えた。この患者が息子に、「大事な話は一家団欒の時に家でせんとあかん」とアドバイス。夜に話し合うが意見はすれ違い、息子は家を飛び出して行った。
「あいつ、頑固やからもうダメやな。次の子に期待しよう」「でもあんた57歳、大丈夫かしら」「心配ない。他で1人作ってある」
【成立】 桂文枝(6)の創作落語、第40作。1983年5月の作。文枝さんなら70過ぎても大丈夫。
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