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400字で分かる落語:「あ」の30「欠伸指南」
30:欠伸指南(あくびしなん):全3回の1
【粗筋】 欠伸を教えるという看板が出て習いに行く。付き添いを頼まれた友達は、馬鹿馬鹿しいと煙草をのんで見ている。師匠は春に舟で遊びに行く設定で、「これから堀へ上がって一杯やって、夜は吉原(なか)へでも行って遊ぼうか。船もいいが、一日乗っていると退屈で退屈で……あ~あ。ならねえや」というお手本を見せた。男が練習をするが、吉原に繰り出して大騒ぎになったり、くしゃみになったり、どうしても欠伸にならない。見ていた友達が呆れて、「見ているこちらは退屈で退屈で……あ~あ、ならねえや」先生、「お連れの方はご器用だ」
【成立】 安永4(1766)年『現金安売はなし』の「道楽者」は、「下地がおありのようじゃ」というもの。翌年の『立春噺大集』下巻一の「あくびの寄合」は、あくびを売り歩く者がいて、薩摩より仙台がお勧めで、今橋筋の、蔵屋敷の、と並べる噺。(画像は柳家一九師匠に頂いた色紙)