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400字で分かる落語「牛の丸薬」
「う」の26:牛の丸薬(うしのがんやく)
【粗筋】 大和炬燵の古いのをいじっているうちに、金もうけを思い付いた甚兵衛、水を加えて溶かし、沢山の丸薬を作る。喜六と二人で売りに出て、甚兵衛が百姓と話をしている隙に、喜六が煙管に詰めた胡椒の粉を牛の鼻の穴に吹き込む。苦しみ出した牛に例の丸薬を飲ませ、鼻に水をかけてやると、故障が流れて牛がけろりと治ってしまう。これを見た百姓達がすっかりだまされて、たちまち丸薬が売り切れる。「よっぽど懐が温もりましたな」「温もるのは当たり前、元が大和炬燵や」
【成立】 古くは「牛の丸子(がんじ)」と呼んだ。悪事が成功して後味が悪いので、演じ手がなくなっていたのを、桂米朝が積極的に取り上げて残した。東京でも桂小文治(前)、桂文治(9)が取り上げていたが、文治は懐炉灰で演っていた。米朝によれば、文治のものは文団治から教わったものだろうとのこと。