【青森県八戸市】全国朝市サミット2024の館鼻岸壁朝市はいつもに増してカオスだった
青森県八戸市にて、毎週日曜日の早朝に行われている館鼻岸壁朝市は、日本最大規模の朝市と言われている。
毎週行われていることもあり、天候がすぐれない日はすぐに店じまいする店や出店しない店舗も珍しくないことからその日の天候次第で客足は大きく変わるが、八戸市の人口が約22万人なのに対して毎週2万人程度の来場者があるという。
全長約800mの区間におよそ300店が軒を連ねるこの朝市では八戸市やその周辺地域はもちろんのこと、青森県各地や隣県の岩手県から様々な農水産物やその加工品はもちろん、服やアクセサリーなどの服飾品や刃物類やミシン ( ! )などなど、およそ一般的に朝市では売られていないようなものまで実に幅広いジャンルのものが集まる。
そして売られている商品のバラエティの豊かさと活気はもちろんのこと、独特のビジュアルのゆるキャライカドンファミリーが事実上のマスコットを務めていたり、地元のご当地アイドルpacchiが「日本一朝早く会えるアイドル」としてライブを行なっていたり、会場アナウンスがなんとも独特であったりとその混沌とした様相はカオスと表現されることが多い。
なお声を大にして強調したいこととして、サイトには夜明けから午前9時までと案内があるが、実際のところほとんどの店舗は午前5時には開いている。その後は6時ごろにピークを迎え、7時には一部商品の売り切れや店じまいの準備をしている店舗も目立ち始めるというのが現状だ。
八戸市でも市街地からはやや離れた工業地帯にあり、普段は物静かな漁港であることもあり実際に来てみないと信じられないとは思うが、特に初めて訪れるという方は5時ごろには会場に到着していることをオススメする。
しかしこの日は2024年10月20日。
前日から八戸市では今回で25回目を数える全国朝市サミット2024が行われており、この日の朝市には北海道から函館朝市、岩手県から盛岡神子田朝市、秋田県から五城目町朝市、宮城県からゆりあげ港朝市、千葉県から勝浦朝市、神奈川県から三崎朝市、長崎県から佐世保朝市、熊本県から牛深まるごと朝市、そして石川県から輪島朝市と、全国各地9の朝市からの出展があった。
以前から八戸市周辺地域などでは新聞広告やポスターなどが貼られており、普段であれば5時に着けば会場近くの駐車場に停められるのだが、近隣の駐車場はとっくに満車であった。
とはいえ幸い混雑は予想されており、誘導の人員も多数配置されていた為に少し離れた第4駐車場に停めることができた。
もちろんレンタカーや県外ナンバーの車 (普段から東北はもちろん関東ナンバーの車もそれなりに見かけるが、この時は九州ナンバーの車もちらほらと目についた)も見られたが、想像していた以上に八戸のナンバープレートをつけた車の割合も多い。どうやら今回の広告を見て、八戸市周辺地域の普段朝市に来ない人々も一斉に足を運んでいるようだ。
久々の館鼻岸壁朝市でとはいえ、お盆シーズンなどと比較しても明らかに混雑している。体感であるが普段の3倍以上は人が来ていた気がする。
気象庁の発表によるとこの日の八戸市の最低気温は8.3℃。しかも海風の吹き付ける岸壁ということもあり本来ならばさらに体感気温は下がるはずであるが、会場は多数の来場者の熱気によりそれほどの寒さを感じないほどであった。
そしてもちろん、多くの来場者のお目当ては全国の朝市からの出店だ。ただでさえ普段よりはるかに混雑している朝市の中心部は、凄まじい数の人でごった返していた。
大盛況の全国の朝市の屋台を見た後は、他の店舗も覗いてみる。この季節ならではの秋の味覚が多数店頭に並ぶ朝市は、普段から活気に満ちているもののこの日はいつもに増して多くの人が訪れて混雑していた。
特にここで朝食を食べる人が多いらしく、しおてばで有名な大安食堂や前述した焼き小籠包の店のような食べ歩きができる店や、或いは飲食スペースのある屋台の混雑が目立つ。
会場をぐるりと回って戻ってくると、本部近くでは岩手県二戸市のキャラクター達や盛岡市の神子田朝市のマスコットであるあさいちくんなどがおり、多くの人々が写真を撮っていた。
そしてもう1つ、さらに大きな人だかりが見える。
その中心にいたのはなんともいえない造形の着ぐるみ達。一度見たら忘れられない、なんなら夢に出てきそうなこのビジュアルは八戸市黙認ゆるキャラことイカドンファミリーである。
朝市に行くとそこそこの確率で誰かしらがいるのだが、全員揃っている場面は結構珍しい。
いつもに増して活気に満ち溢れた館鼻岸壁朝市。のどかな港町の早朝にだけ出現する祭りのような賑わいが今後も末長く続いてくれることを願うと共に、北東北のみならず全国津々浦々の朝市の姿もまた気になってくる。
今後その機会があることを願うばかりだ。