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いたずら男

以前ちょこっとだけ記事に書いた事がありますが、
私はいたずらやサプライズを仕掛けるのが大好きです。

念の為に言っておきますが、逮捕される系のイタズラではありません

いたずらを仕掛けられると怒る人もいます。
むしろ不愉快になるのが当然の反応でしょうね。

なので、怒らせず笑いに持っていく戒めをいくつか作っています。


1 金銭的・物質的な損失は自分だけにとどめる事

当たり前といえば当たり前です。
落とし穴などは洋服が破損する可能性がありますよね。
テレビでなら予算もついてるからできますけど、
死亡事故もあったように、単純で有名な割にリスクの高い罠です。
浅い穴でも捻挫や、子供の場合大怪我という事も想定できます。
ゆえにこういう手は禁じ手です。

お金を使った例で思い出すと、
友人の女の子に原稿を渡しハガキに代筆してもらったラブレターを、
封筒に入れ他県の友達に送り、消印という証拠で説得力をつけて、
旅行先から送ったよというイタズラをやりました。
トータルで1000円程度ですが、一瞬ビックリさせるためだけによくやったもんだと思います。

2 絶対にターゲット以外に被害を与えない

また当たり前の事なんですが、案外、失敗するのはここです。
先の落とし穴の例で言えば、全く知らない人がハマって怪我でもしたら取り返しがつかない事になります。
ですので常に最悪のケースを想定し、その危険性を排除する条件を絞り込んでいました。

またやった事を思い出しますと、
友達の家に電話をかけ、サスペンスドラマの格闘シーンの音声をイヤホンで受話器にあて、そのまま流してプツリと切るというのをやりました。
翌日、「昨日なんかケンカしているような電話がかかってきてビックリした!」と、友達がアクシデント自慢をしているのを聞き、「それは俺が仕掛けたものだ…ムフフ」と、ほくそ笑んで会心の出来でしたね。うむ。


3 必ず当事者にネタバラシをする

これは、意外とやらない人が多いのです。
確かに怪談のような幽霊みたいなドッキリをやったなら、
謎のままの方が面白みはあるかもしれません。
ただ、自分の思いつきが相手のモヤモヤとして残るのはやはり良くないともうのです。ドッキリ番組であえて派手な格好で看板を持ってネタバラシするのも、すぐに現実に戻すという効果を狙ってのものでしょう。


4 同じネタは2度と使わない

一番重要です。
そもそも2回目となると笑いのためなんて言い訳も通用しません。
友人関係の範疇でのおどかしあいであってこそですし。
また、それこそ会心の出来で大団円で終わったとしても、
そこに味をしめると、次のアイデアが沸いてきません
新鮮な笑いを取るには新鮮なネタが必要で、
お約束のイタズラなんてただでさえ役に立たないのにデメリットしかありません。もし、誰かが真似してもどうぞどうぞと。イタズラに著作権は無いとは思いますが、やりたきゃやれと公開してました。公開してるくらいだから引っかかる人もいなかったんでしょうけど。

思い出に残ってるのは年賀状を使ったものです。
高校生の頃、電気シェーバーで剃ったヒゲの粉末を何かに使えないかと考えていました。幼稚園の頃にやってた砂絵を思い出しまして、ちょうど12月頃だったものですから、年賀状に「賀正」とスティックのりで書き、その上にヒゲの粉末をサラサラと流してみたら、きれいに黒々と「賀正」と表現できました。年賀状はハガキですから、郵送される間にとれてしまう可能性が大だったので、セロハンテープで年賀状の裏面をカバーし投函しました。

何事も二番煎じやパクリというものはつまらない上に評判を下げるのでいけませんね。そしてイタズラもほどほどにしといた方が良いですね。


なぜイタズラを仕掛けたくなったのか

あくまでもごく親しい友達との間のやり取り(私もやられてました)とは言え、
こうして書き出してみるとろくなもんじゃねえなと我ながら思います。

これらは全て中高生の頃の事です。
無駄なエネルギーが余っていたというのがまず一つ。
とにかく何でもかんでも考えて考えて裏の裏まで読もうとするように日々の出来事を考え抜いていたのを覚えています。

実は大きく影響を受けた人物がいるのです。
おそらく皆さんご存知だと思うのですが、
三国志のキーマンである、あの、諸葛亮孔明です。

中学生の時に生徒会役員をやる事になったのですが、
いくつかある業務のうちに、図書委員をまとめるという仕事がありました。
図書委員のトップになるのなら何かしら図書室の本を読まねば示しがつかないと考えて手にとったのが三国志でした。

この三国志。
およそ15巻まである長編で、他の三国志の作品群と大きく違うのは、
諸葛亮が死去した後、蜀と呉が敗北し、普の建国に至るまでが全て書かれていました。また、戦争には無関係なエピソードや人物評も物語に書いてありました。

最も読まれているであろう吉川英治三国志やその漫画版で、赤壁の戦いに参戦するように孫権を説得しに諸葛亮が単身呉へ趣く場面があります。そこで呉の国の知恵者達と丁々発止のやりとりを繰り広げるのですが、呉の国の論客の一人として陸績という人物が出るのですが、諸葛亮は「おお、ミカンを母ちゃんに持って帰った陸さんじゃないか」と、唐突にミカンを引き合いに出してきます。

これは呉の孫家を以前は臣下にしていた袁術という人物の家でたまたま目にしたミカンをこっそり拝借するもバレてしまい咎められるのですが、親孝行のために持って帰るつもりだったという陸績の心根をかえって称賛したというエピソードがあってこその文言なのですが、吉川英治さんはおそらく尺の関係で削ったのでしょう。しかし、陳舜臣さんの三国志にはその場面もしっかり書いてあり、陸績や袁術の人柄がわかりやすかったのです。


それらの人物ですら面白いのですから、諸葛亮の活躍や、ライバルである司馬懿仲達の憎たらしいまでの読みなど、権謀術数の教科書のような本でした。繰り返し読んで、その後、吉川三国志なども愛読するようになったのです。


もう話は思いっきりそれてますが、この三国志。
どう検索しても出てこないんです。

作者は間違いなく陳舜臣
ただ、カバーが外されていたためか、バーコードなどが無く、
真っ白で分厚い文庫本に「三国志 ○○巻」と書いてあるだけなんです。

図書館司書の友人に尋ねても分からないとの事だったので、
もう一度読みたいけども、絶版になったか、学校など教育施設に配布される特別な流通ルートでのみ存在していたのか。謎です。
知ってる人がいたら教えていただけると幸いです。


とまあ、諸葛亮に影響されてかりあげクンみたいな事をやってたわけです。
迷惑この上ない話ではありますが、発想は豊かになったのかもしれません。

諸葛亮は中国大陸を3つに分けるという策略を考えましたが、
私は親友たちにウケ狙いのいたずらをするのがせいぜいだったのです。
人物の器の違いとはこういう事でしょうね(笑)

読書で得た知識を誤った使い方をしてはいけないよ、というお話でした。

とっぴんぱらりのぷう

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