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子どもの姿勢と靴その②

子どもの姿勢と靴その①では、足元のバランス不良が子どもの姿勢を崩す原因になっていることを指摘しましたが、今回は姿勢を正すために必要な靴について説明します。

靴のサイズと姿勢

同じ靴をサイズ別に履いて靴紐は一定に締めバランスを崩しやい片脚立位で横から撮影

写真は同じ靴でありながらサイズが大小1㎝の違いでバランスに違いがあることを示しています。24.5㎝に比べ23.5㎝と25.5㎝はS字姿勢が大きくなっています。

サイズ別のつま先の隙間

23.5㎝では足趾が窮屈、25.5㎝ではつま先にかなりの余裕があることが分かります。つま先に余裕があれば足趾は開放され良さそうですが後方荷重となり浮趾になります。趾が使えないとバランスが悪くなり姿勢にも影響します。

足元のバランスが悪いと姿勢を保つことは困難になります。

骨盤前傾型は後傾型より姿勢は正されている様に感じますが膝を過伸展させることで足元のバランス不良を補っています。

靴のオーバーサイズ症候群

オーバーサイズの靴が姿勢を悪くするのは説明のとおりですが、直ぐに足は大きくなるからと子どもに大きめの靴を買うのは避けるべきです。

子どもの足の成長は、1歳~3歳で一年で足長1.5~2㎝大きくなり、3歳以上は一年で足長1㎝程度大きくなります。

ここで考えてもらいたいのは多くの子どもが同じ靴をヘビーローテーションしています。毎日履いている子ども靴は6ヶ月程度しかもたないと思います。6ヵ月で子どもの足の成長は0.5㎝程度しかありません。

日本規格の子ども靴は、17.0㎝と表記されていれば足長17.0㎝の子どもが履いてつま先に0.5㎝~1.0㎝程度の隙間が空くように出来ています。つまり足の太さが日本人の標準値なら17.0㎝~17.5㎝の靴で6ヶ月程度は履けることになります。少し大きく購入するとしても18.0㎝程度と考えるの良いかと思います。

ところが売場での現実は、子ども靴は6ヶ月程度しかもたないにも関わらず余裕を考え過ぎ足長に対し2.0㎝~3.0㎝ほど大きな靴を選んでいる方も多くいます。子どもが大きな靴を履いているとそれに慣れてベストサイズの靴を履くと窮屈という感覚に陥り大人になるまで延々と大きい靴を履き続けることになります。

日々、これを繰り返していれば体のバランスを補正するための代償として不良姿勢を強いることになります。成長期の子どもの体は歪みやがて様々な疾患につながる可能性が大きくなります。昨今、子どもの腰痛が多いのも全く不思議ではありません。

姿勢を正す子ども靴の選び方

姿勢を正す靴選びは子どもの成長に合わせてベストサイズを探す必要があります。メーカーごとにサイズ感も違うので中敷きを外して足に合わせて確認してみると分かりやすいと思います。

中敷きでのサイズ確認
・ファーストシューズ      つま先の隙間は12㎜ 非荷重(座って)
・14.5㎝以下   3歳位まで  つま先の隙間は10㎜ 荷重(立って)
・15.0㎝~20.5㎝ 7歳位まで  つま先の隙間は12㎜ 荷重(立って)
・21.0㎝以上   7歳以上 つま先の隙間は12~15㎜ 荷重(立って)

子どもが姿勢を正す上で踵の骨を真直ぐに成長させることが何より大事ですが、その為には踵の芯が確りしている子ども靴を選ぶ必要があります。また、甲のベルトや紐で確り足と靴がピッタリ一体化する必要もあります。一体化すれば力強く走れたり、ジャンプしたり、効果的に子どもの足の成長を促してくれます。

成長している大切な子どもの靴だからこそ実際に履かせてより慎重に選んでいただきたいと切に願っています。

最後まで読んでいただき誠にありがとうございました。

左:踵の芯が確りしている


二本ベルトの方が足と一体化しやすい

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