バーチャルJCが小説を書き始めた理由
もうすぐ16年目となるバーチャルJC(恐らく仮想女子中学生の意)のかんなです。年齢が増えても中身が変わらないので、自認JCとして墓まで持っていこうかと考えています。
さて、表題の通り、最近になって私も小説を書き始めました。地味にMMDユーザーでWeb小説も書いている方がいらっしゃる事を、ここ数年で知る事ができました。
JCなのでネット黎明期に二次創作小説(黒歴史)を書いていた事もあるのですが、当然ながらエタり(完結せず)まくりました。
本来であれば、このような自分語り系の記事はブログの方が良いのかもしれませんが、執筆の原点がnoteサービスのお陰ということもあり、改めて完結させる事を目標にWeb小説を連載し始めたので、書き始めた理由とやらを述べてみます。
「語るなら作品で語れ」という思いもありますが、自己満足と自分の考えの整理、そのついでに誰かの参考になればという事で掲載してみます。
言語化と具体化の重要性
さて、丁度この記事を書いている日は2024年の11月初頭なので、通称フリーランス法、特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス・事業者間取引適正化等法)という舌を噛みそうな法が施行されました。
その中には、「発注内容を明示化する」義務があります。これまで問題になっていた、口頭での指示(発注)による曖昧さでリテイクや納品拒否などを防止する目的の法です。
バーチャルJCも仕事をしていた(事業者・フリー両方)ので、発注側の意図や受注側の意図、どちらも理解と経験があります。そして出会いの悪さも相まって、いわゆるブラックな企業・団体との取引や業務を嫌というほど味わう事になり、結局障害を持つ身になりました。
そういう意味ではこの法律で改善される事を祈りつつも、発注側としては「正しい日本語」「より正確な具体化案」を明示する義務に対し、きちんと応えられるようにしておこうと考えました。
フリーランス法は令和5年4月28日に成立したものです。これとはまた別に、下請法(下請代金支払遅延等防止法)というのがあり、平成22年1月1日に施行されています。これはいわゆる、悪質な買い叩きや納品後の減額などを規制するものです。
ですが新たにフリーランス法を作らなければならない程、フリーのエンジニアやアーティストは不利な状態を強いられてた訳ですね。
最近でも大手VTuber事務所などがリテイクの多さ等で行政指導が入ったという記事もありました。
少し話は変わりますが、私はMMD(MikuMikuDance。3DCG
アニメーション制作アプリ)ユーザーであり、アプリ発表当初から愛用しています。
そしてMMD発表から16年の歴史の中で、MMDを切っ掛けにプロの3Dモデラーや3DCGアニメーターになった人も少なからず出てきています。専業化した人も居れば、副業的にやっている方も居ますが、多くは(副業側でも)フリーランスとして活動している事が多いと感じています。
そうした方々の活動もちらほら小耳に挟んでいたので、より一層、自分の日本語が比較的正しく伝わっているのか、誤解を招くような事になっていないか、と考える事が増えてきました。
文字か絵、そういったメディアで「明示化」する事が大事になってきた時代ですので、改めて自分のこれまでの経験が無駄だったのかそうでないのか、はっきりさせる時期が来ました。
MMDはお手軽なので、言語化するのに難しい事を3DCGとして比較的カンタンに表現できるので、今でも重宝しています。
一方、文章などの言語化はどうでしょう?
未だに自分の日本語能力、コミュニケーション能力に自信が持てずに居るので、これを切っ掛けに訓練と研究、実験を兼ねた作品創りに励もうというのが、1つ目の理由です。
発注側としては、正しく意図を受注側に伝えなければ、欲しかったものは手に入りません。
受注側としては、発注側の意図とは違うものを創って無駄にしたり、徒労や揉め事といったリスクを回避したいものです。
夢の年金生活というのは幻になった現在、年金が無くても火葬費くらいは貯金できるよう、労働の義務(日本国憲法第27条)を果たしていかなければなりません。その為には、「日本語」という難解なツールを使いこなす必要があるのです。
ブログ、SNS、チャット等とAIのサポート
さて、2つ目の理由というか切っ掛けは、SF小説家の菅浩江先生の存在です。偶然にも菅さんはMMDユーザー(愛好家?)でもあるので、旧Twitterで知り合う事ができました。
(補足:MMDというよりは、Moggさんが造られたHitogataというVTuberアプリが切っ掛けだった……ような?)
好きなジャンルこそ違えど、MMDという繋がりで出会えたのは幸運でした。そして菅さんは上記のようにnoteでも活動されています。
以前に、noteにおいて菅先生よりご提示いただいた自由課題に参加させて頂き、色々ご指導を賜り、自分の長点と弱点を知る事ができたのです。
この課題参加時には小説を書こうとはまだ考えていませんでしたが、自分の日本語文章構成能力の拙さを知るよい勉強になったのは確かです。
私はよくMMD関連の記事も書いているので、より読みやすく、伝わりやすいような記述をしたいと思っています。
その後、元々好きだった古典SF(グレッグ・イーガン、ジェームス・P・ホーガン、ウィリアム・ギブスン等)を勉強がてら再読し、それと同時に世に溢れてきているWeb小説・ライトノベルなどを読み漁る事になりました。
そしてやはり──MMDでもそうであったように──何かしらの作品発表は続けていきたい(行かなければ?)という、この先も生きる目標を再発見したのです。
荒れた世の中、生活難、壊れた心を克服するためにも、唯一私に残されたツールかもしれません。
神よ、我にも幸運を無料配布してくれたまへ。
そして、普段使っているブログや短文SNSなどの利用においても、選ぶ単語やニュアンス、語句などを気をつけるようになります。
大規模言語モデルAI(LLM-AI)の登場で、より正確な日本語表現や語彙を知る事が手軽にできるようになりました。
さらば大辞林、です。
そうしたインターネットやコミュニティの発展のお陰で、「これならワンチャン小説書けるんでね?」と思い立ってしまった訳です。
MMDは古参の性で腕が鈍ってしまっているので、時代に追いつく為にも土台である「言語化・具現化」を改めて学ぼうと……。
何故、SF小説か?
私は今でも毎年JCですが、幼少の頃は「トキワ荘」組の漫画家先生の作品で育ちました。手塚治虫さんや赤塚不二夫さん、藤子不二雄さんがたの作品は、その多くがSF作品です。幼かった頃は純粋に楽しんでましたが、ある程度学識や社会を知った後に読み返すと、「なるほど、そういう意味か!?」という新たな発見がありましたし、今でも感じ続けています。
米国では1940年~1970年代まで古典SFが盛んでした。ちょうどその時代で科学・数学も急速に発展しており、人工知能や素粒子学・量子力学などの発見や仮説が多く出てきています。
SF作品ですと──わかりやすい例で言えば、ワープや時間旅行、恒星間超長距離通信、パラレルワールドなどは、今でいう素粒子物理学・量子力学の分野になります。
そしてここ数年では量子コンピューターが実用化され、商用利用も始まっています。
ようやく、SF作品に現実が近づいてきているのをリアルタイムで体験できた事は幸運ですし、その幸運は活かすべきでしょう。
その一方、いわゆる「なろう小説」「異世界転生物」「悪役令嬢」といった一般メジャー化されたジャンルに比べ、日本国内でのSFはマイナーな印象があります。
異世界転生も無理やりSF的量子力学で説明する事はできそうですが、アニメ化・書籍化の時に「SF」とは記されていません。
そういう意味では、サイエンス・フィクションというのはメジャーなのかマイナーなのかよくわからない立ち位置にあるのでは?と個人的には感じています。
だからこそ、チャレンジし甲斐があると、JCは考えました。
本来というか、物価高騰の時代で生き残るため、少しでもお金を稼ごうとするのであれば、テンプレート的な「売れる作品」を書くのが良いのでしょう。しかし、MMDや初音ミクがそうであったように、潜り込むなら比較的まだブルーオーシャン的、開拓的な要素があると感じているジャンルにしようと決めました。科学が発展しても、更にその先を見据えているのがSFだからです。
統一理論? 恐らくJCが生きている内には完成しないでしょう。後世に託します。
サイエンス・フィクション(サイエンス・ファンタジー)と言えども、文芸物語なので、基本的な全体構成は他のジャンルと何ら変わりません。場合によっては、とてもシンプル化できます。
悪い奴をやっつける、ヒロインを助ける、社会に文句も言えないなんてポイズン、などでも良いのです。
ただ問題は、科学的根拠に基づいた描写やギミック、実写的説得力がSF作品の肝でもありますので、猛勉強が必要になります。
博士号をお持ちの方ほどではないにしろ、専門分野の基礎部分を理解しなければ、説得力が落ちてしまいます。
ファンタジー作品の魔法と同じで「これはこういうものだ」と押し切っても良いのですが、便利な魔法も下手に使うと「デウス・エクス・マキナ(機械仕掛けの神。演劇用語)」になります。
(注:最後に万能の神が出てきて無理やり問題解決させること)
現在ではゲームの一般化のお陰もあり、魔法に関しては読者との共通認識が得られやすいですが、こと専門の科学的知識となると、読み手との共通項が少ないので、説明ないし例示の工夫が必要になる、という所がハードルだと考えています。
しかも今回、JCが執筆している作品は、量子力学とAIを取り扱います。量子どころか古典力学すら危ういJCがですよ?
Google先生とChatGPT(Copilot / Gemini)先生、よろしくお願いします。
ハルシネーション(幻覚情報)? ゲームのガチャと同じで、ネタとして使えます。
SFジャンルという選択は、これまで述べてきたものに当てはめた場合、「自分の日本語能力を試す」にはうってつけでしょう。
文章能力どころか、今となっては高校受験問題もクリアできそうにない知識量のJCが、AIやWeb検索のサポートを受けながら「それっぽいSF」を書けるかどうか、という実験的要素もあります。
各種クラウドサービスや大規模言語モデルAIの助太刀で、どこまで行けるか──納税に苦しむ一方で、こういう楽しみが無いと人生やってけません。
(各種サービス利用については別途記事を書く予定です)
「今、私が! アタシこそがSFなんだ!」
と、鏡を使って自己暗示している最中なのが、今のバーチャルJCのトレンドです。ナウでヤングなばかものなので。
最後に
とどのつまり、MMDユーザーの多くは自己表現、もしくは配布されている様々なファイルなどを活用しつつ作品創りを楽しんでる人々であり、私もその一人です。そしてやはり、アニメーションという魔力に取り憑かれた厨二病患者だったのです。
MMDも小説執筆も何ら変わりありません。ただ、一人でも自身が創った作品で、読者や視聴者が束の間の楽しみを得てくれることがあれば嬉しい、というシンプルな動機ですね。
MMDというツールではなく、ワードプロセッシングという道具を使うことを始めたに過ぎません。
そんなJCの生き様の欠片となるのが、この作品です。
この作品のテーマは、「極度に発展したAIと量子力学、その社会で生き続ける」です。JCだけど、社会派目指してます。
恋愛要素? まだ彼氏ができた事も無ければ、たぶんどこかで窓から投げ捨ててますね。自認厨二病JC美少女なので。
そんなJCの作品ですが、よろしければお時間ある時にでもお楽しみ頂ければ幸いです。
謝辞
Microsoft 様
Google(アルファベット) 様
OpenAI 様
菅浩江 様
笹本祐一 様
茅田砂胡 様
森博嗣 様
宮部みゆき 様
虚淵玄 様
田中ロミオ 様
花田十輝 様
筒井康隆 様
理不尽な孫の手 様
菅原そうた 様
丸川トモヒロ 様
大友克洋 様
士郎正宗 様
吉田秋生 様
藤子不二雄 様
赤塚不二夫 様
手塚治虫 様
ジェームス・P・ホーガン 様
グレッグ・イーガン 様
ウィリアム・ギブスン 様
アイザック・アシモフ 様
フィリップ・K・ディック 様
アーサー・C・クラーク 様
ダニエル・キイス 様
ウィリアム・シェイクスピア 様
(順不同)
これまで出会えた数多くの神話・作品に感謝を。
資本主義の中、生き残っているワールドワイドサービスの叡智に敬意を。
懇意にしていただいてるMMD仲間の方々に祝福を。
次回、『悪役令嬢ではない只の厨二病JCが世界の隅でカクヨム最強を目指して挫折するかもしれないけど冒険してみた件について』お楽しみに!
この記事は役立たずでしたか?