業協同組合とは、カルマの法則に従って、街を巡回する組合だ。
組合員の業協平(ごう・きょうへい)は、組合員として働いていた父の姿を受け継ぎ、大学卒業後に組合へ加入。住民がきちんとダルマに沿った行いをしているかどうか、日々巡回している。
「ダルマに沿った行いをしている人には徳が与えられ、ダルマに反するアダルマな行いをしている人には不徳が与えられる。ダルマを守るものは、ダルマに守られる。という真実を伝え、住民が穏やかに生きていけるために活動しています。」組合のおかげで、住民は皆お互いを信頼し、なんとこの町にはもう50年以上も警察組織が存在していないのだ。
業共同組合の活動は多忙だ。「1日の巡回は最低10回。まず朝起きたらそれぞれの持ち場を巡回。いったん朝食を摂りに自宅へ戻り、そのあと再び巡回です。午前中は大体持ち場を3周します。午後も同様ですね。ダルマに沿っていない住民を発見したら、その住民のお宅へ訪問し、カルマやダルマの法則について指導しています。時々町の人間教習所へ行って講師を務めることもありますね。」
ちなみに上記が業(ごう)の1日のスケジュールだ。睡眠以外巡回。あまりにも現実味がないので、本人に尋ねると「はい、確かに少し盛ったと言われればそうかもしれません。実際は休憩や食事も取っていますが、でも気持ちの中では一日中巡回なので。」とのことだ。
また、時々住民から怒られることがあるという。「はい、確かに住民から、またお前か!何回目だよ!って怒られることがあるんです。でも巡回数だけは誰にも負けたくなくて。ちなみに私の父は1日に28回巡回した記録を持っています。計算するとあり得ないんですけど、いつか超えたいですね。」と胸に秘めた思いを吐露し、今日8回目の巡回へ向かった。
撮影協力:有限会社 佐渡山農産