書肆侃侃房 web侃づめ

出版社の書肆侃侃房のウェブ連載マガジン「web侃づめ」です。近刊・新刊の情報もお知らせしていきます。 http://www.kankanbou.com/

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マガジン

  • 本のあるところ ajiro

    福岡・天神の本屋&カフェ。海外文学と詩歌を中心とした書籍を販売。トークショー、読書会、歌会などのイベントも開催しています。 http://www.kankanbou.com/ajirobooks/

  • 町屋良平「小説の死後──(にも書かれる散文のために)──」

    町屋良平さんによる批評プロジェクト「小説の死後──(にも書かれる散文のために)──」を始動します。公式Xは@shosetsunoshigoです。http://www.kankanbou.com/news/archives/511

  • 北村紗衣「素面のダブリン市民」

    1年間アイルランドのダブリンに住むことになった『お砂糖とスパイスと爆発的な何か』著者の北村が、ゆるい感じでアイルランド生活について発信します。

  • 文学ムック ことばと

    文学ムック ことばと

最近の記事

【本のあるところ ajiro】『メアリ・シェリー』(白水社)刊行記念 小川公代さんトークイベント「読むことでつながる」(12/19)

『メアリ・シェリー』(白水社)刊行記念 小川公代さんトークイベント「読むことでつながる」  ★お申し込みはこちら ①会場参加チケット ※学割対象はこちらから ②配信視聴チケット  『フランケンシュタイン』の作者メアリ・シェリーは、作家で思想家の両親ウィリアム・ゴドウィンとメアリ・ウルストンクラフトの子どもとして生を受けたが、母がすぐに他界。母とは彼女の書いた本を読むことでしかつながることができなかった。メアリ・シェリーは母の墓に行き、『女性の権利の擁護』『北欧からの手紙』

    • 【書肆侃侃房・西南学院大学 読書会プロジェクト】「小さな物語」と書く女たち 小川公代×渡邊英理 進行:田村元彦

      「小さな物語」と書く女たち 小川公代×渡邊英理 進行:田村元彦 日時:2024年12月20日(金)18:40~21:00/開場 18:20 会場:西南コミュニティーセンター・ホール(福岡市早良区西新6丁目2−92 西南学院大学東キャンパス) 主催:書肆侃侃房・西南学院大学 読書会プロジェクト ★お申し込み方法 ①会場参加 イベント名・氏名・希望枚数を明記の上、【mtamura@seinan-gu.ac.jp】までメールでお申込み下さい。参加費は当日現地でのお支払いとなりま

      • 【試し読み】北村紗衣『女の子が死にたくなる前に見ておくべきサバイバルのためのガールズ洋画100選』より(『魔法にかけられて』ディズニープリンセスと現実)

        『魔法にかけられて』——ディズニープリンセスと現実 〈ジャンル〉おとぎ話 民話や神話も含めたおとぎ話の要素がある作品を紹介します  2007年に公開された『魔法にかけられて』は、それまでのディズニー映画とは一味違うものを目指した作品でした。アニメーションと実写を組み合わせた作品で、本格的なディズニープリンセス映画としては初めて、実写のプリンセスが登場します。今までのディズニー映画のパロディや、おとぎ話の定番をからかうような展開がたくさん詰め込まれています。  舞台はアニ

        • 【小説の死後】冊子「桜井晴也と「世界系ブンガク」あるいは二〇一〇年代に起きるはずだった(しかし起きなかった)ムーブメント」(町屋良平)販売のお知らせ

          桜井晴也の正統と異端、二〇一〇年代をリードするはずだった文学的一派について(町屋良平)  桜井晴也は現代日本でおそらく中村文則とならびドストエフスキーの直接な影響下にある若手作家である。たとえば桜井のblog「首吊り芸人は首を吊らない」(http://kizuki39.blog99.fc2.com/)で発表された中編小説「人類の最後の夜」にはそれが顕著に表れている。  桜井晴也は2013年に「世界泥棒」で文藝賞を受賞しデビュー。『三田文學』などにて短編を発表しつつ、自身のb

        • 【本のあるところ ajiro】『メアリ・シェリー』(白水社)刊行記念 小川公代さんトークイベント「読むことでつながる」(12/19)

        • 【書肆侃侃房・西南学院大学 読書会プロジェクト】「小さな物語」と書く女たち 小川公代×渡邊英理 進行:田村元彦

        • 【試し読み】北村紗衣『女の子が死にたくなる前に見ておくべきサバイバルのためのガールズ洋画100選』より(『魔法にかけられて』ディズニープリンセスと現実)

        • 【小説の死後】冊子「桜井晴也と「世界系ブンガク」あるいは二〇一〇年代に起きるはずだった(しかし起きなかった)ムーブメント」(町屋良平)販売のお知らせ

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        • 本のあるところ ajiro
          75本
        • 試し読み
          72本
        • 町屋良平「小説の死後──(にも書かれる散文のために)──」
          2本
        • 北村紗衣「素面のダブリン市民」
          7本
        • 文学ムック ことばと
          11本
        • 田島安江「戦争の詩を読む」
          3本

        記事

          【試し読み】メレディス・ルッソ『理想の彼女だったなら』(佐々木楓 訳)冒頭より

          メレディス・ルッソ『理想の彼女だったなら』(佐々木楓 訳) ******************** 【あらすじ】 アマンダ・ハーディは、ある出来事から高校最後の年を新しい街で過ごすことになる。彼女にはある目的があった――できるだけ目立たず、人との関わりを避け、ただ日々をやり過ごす。卒業したら自分を知る者のいない場所に消える。すべては自分の人生を生きられる未来のため。ここは通過点にすぎない。それでも転校先での数々の出会いは、彼女の心の氷を溶かしてゆく。その先に見出したも

          【試し読み】メレディス・ルッソ『理想の彼女だったなら』(佐々木楓 訳)冒頭より

          【素面のダブリン市民】第7回 少数言語がテーマのウィキメディア会議「ケルティック・ノット」(北村紗衣)

           ダブリンでのサバティカル中、パートタイムのボランティアとしてトリニティ・カレッジ・ダブリン図書館のウィキメディアン・イン・レジデンスをつとめています。私は2010年から日本語版ウィキペディアで編集や書き方教室などの活動をしており、8月にポーランドで行われたウィキマニア(ウィキペディアをはじめとする、ウィキメディア財団のウィキメディアプロジェクトに関係する活動)の世界大会には応募審査員として参加しました。わりとベテランのウィキメディアン(ウィキメディアで活動する人をこう呼びま

          【素面のダブリン市民】第7回 少数言語がテーマのウィキメディア会議「ケルティック・ノット」(北村紗衣)

          文学ムック「ことばと」vol.8(第6回ことばと新人賞発表)発売!

          文学ムック「ことばと」vol.8(第6回ことばと新人賞発表)が発売されました! 今号から本誌は「ことばと新人賞」発表のための(…)文学ムックにリニューアルされました。 ことばとは創刊時から、新しい、まったく新しい小説の才能を探し求めてきました。文学雑誌、小説の雑誌が数ある中、後発の小さな雑誌がするべきことは、何よりもまず、新たな価値観の提示だと思ってきたからです。新人賞は、いわばその核心です。  ――佐々木敦(巻頭言より) ***** 最新8号は「第6回ことばと新人賞」

          文学ムック「ことばと」vol.8(第6回ことばと新人賞発表)発売!

          【第6回ことばと新人賞最終候補作】灰原南「ラン・ライク・ア・ガール」

          ラン・ライク・ア・ガール  灰原南 1  女の子らしく走れといわれたら、あなたはどんなふうに走るか。  そんな指示を与えられた二十代とおぼしき若者が、走る様子を見せる、あるいは演じる。  若者は女性もあり男性もあり、また肌の色も異なるのだが、それでもその動作やしぐさはよく似ている。デフォルメの型が共通している。最後に、やっと十歳くらいの女の子が登場する。彼女はシンプルに、全力で走る。彼女の耳の傍で鳴る風の音が聞こえてきそう。  この動画をわたしに見せてくれたのは、カ

          【第6回ことばと新人賞最終候補作】灰原南「ラン・ライク・ア・ガール」

          【第6回ことばと新人賞最終候補作】春野菜魚「朝の生成」

          朝の生成 春野菜魚  二階のリビングでコーヒーマグを片手に、岬【みさき】は窓越しに流れる川を眺めながら、幼なじみの美月【みつき】の到着を待っていた。  幾重にも連なる光の粒が、さざなみに誘われてちかちかと踊っていた。気まぐれな突風に撫でつけられると、その光の粒をふんだんになびかせながらちいさく尖った波頭が川面をしなやかにひた走る。捉えどころのない水の群れが、ひとつの合図によって申し合わせたように一方向にするすると伸びてゆくさまは、羊飼いに急きたてられた羊たちがいっせいに

          【第6回ことばと新人賞最終候補作】春野菜魚「朝の生成」

          【第6回ことばと新人賞最終候補作】那須湧紀「光学的逆行再現」

          光学的逆行再現 那須湧紀  ハイスコアをもう少しで超えられそうだったがゲームオーバーになってしまい、やる気が失せてアプリのゲームを閉じる。スマートフォンの重みにまかせてベッドに手をだらんと落とす。体は起こさないまま頭だけを回し、小さなテレビの左右に設置されているカメラを見る。右側の小型カメラは部屋全体を捉え、左側の小型カメラは玄関の方を向いている。どちらも赤いランプが灯っている。床を這い電源プラグへとつながっているカメラのコードにはまた埃が溜まっていた。一週間前に掃除をし

          【第6回ことばと新人賞最終候補作】那須湧紀「光学的逆行再現」

          【試し読み】北村紗衣『女の子が死にたくなる前に見ておくべきサバイバルのためのガールズ洋画100選』より(「プロローグ 死んでるヒマなんかなくなった」)

          プロローグ 死んでるヒマなんかなくなった  この本は女の子のための外国映画ガイドです。いやいやちょっと待って、なんでそんなものが必要なんでしょう? 自分で本まで書いておいてこんなことを言うのもおかしいですが、世の中には外国映画ガイドみたいなものがたくさんあります。たとえばアメリカ映画インスティテュート(AFI)は非常にきちんと考えられたアメリカ映画ベスト100本のリストを出しています。面白そうな外国映画を見てみたいと思ったら、そういうものを上から順に見ていけばいいんじゃない

          【試し読み】北村紗衣『女の子が死にたくなる前に見ておくべきサバイバルのためのガールズ洋画100選』より(「プロローグ 死んでるヒマなんかなくなった」)

          【本のあるところ ajiro】国立ハンセン病資料館学芸員・木村哲也さんトークイベント「『詩集 いのちの芽』を読む」(11/3)

          国立ハンセン病資料館学芸員・木村哲也さんトークイベント 「『詩集 いのちの芽』を読む」 今年8月に『詩集 いのちの芽』(大江満雄編)が岩波文庫より出版されました。 本書は志樹逸馬、島比呂志、谺雄二、厚木叡ら全国8つのハンセン病療養所の入所者73名の詩を収録した合同詩集です。 昨年国立ハンセン病資料館で開催された「ハンセン病文学の新生面 『いのちの芽』の詩人たち」を企画され、本詩集に解説を寄せられた国立ハンセン病資料館学芸員の木村哲也さんをおむかえし、『詩集 いのちの芽』を通

          【本のあるところ ajiro】国立ハンセン病資料館学芸員・木村哲也さんトークイベント「『詩集 いのちの芽』を読む」(11/3)

          【戦争の詩を読む】第3回 ノーベル賞の作家たち 世界のかなしみに出会う詩(田島安江)

          ノーベル賞の発表が始まるので世の中、静かにそして期待をこめて待っている。 ちょうどこの時期に生まれた詩集から。 1887年オーストリア生まれのエルヴィン・シュレーディンガー(1961年没)は、1933年にノーベル物理学賞を受賞した。生涯に一冊残した詩集があると知った詩人の宮岡絵美さんが、翻訳出版した詩集が『シュレーディンガー詩集 恋する物理学者』だ。 彼の詩は恋人への愛を語りながらも普遍的、世界中のすべての人々への愛をうたっている。 これはそんな詩集だ。 思わず口ずさみた

          【戦争の詩を読む】第3回 ノーベル賞の作家たち 世界のかなしみに出会う詩(田島安江)

          【本のあるところajiro】レベッカ・ブラウン『天国ではなく、どこかよそで』刊行記念 翻訳家・柴田元幸さん朗読会(10/26)

          レベッカ・ブラウン『天国ではなく、どこかよそで』刊行記念 翻訳家・柴田元幸さん朗読会 ★お申し込みはこちらから ①会場参加チケット ※学割対象はこちらから ②配信視聴チケット 『体の贈り物』で知られるアメリカの作家、レベッカ・ブラウンの物語集『天国ではなく、どこかよそで』を、柴田元幸さんの翻訳で、10月30日にtwililightから刊行予定です。このイベントは先行発売となります。 この物語集には、「三匹の子ぶた」を踏まえた「豚たち」、「赤ずきんちゃん」を踏まえた「おば

          【本のあるところajiro】レベッカ・ブラウン『天国ではなく、どこかよそで』刊行記念 翻訳家・柴田元幸さん朗読会(10/26)

          【本のあるところajiro】『ジェーンの物語』刊行記念 永井玲衣×塚原久美トークイベント「生きづらさからの解放のためにいまのわたしたちができること――『ジェーンの物語』から考える」(10/17・オンライン)

          『ジェーンの物語』刊行記念 永井玲衣×塚原久美トークイベント 「生きづらさからの解放のためにいまのわたしたちができること――『ジェーンの物語』から考える」(10/17・オンライン配信) ★お申し込みはこちら 配信視聴チケット(1か月アーカイブ付) 『ジェーンの物語 伝説のフェミニスト中絶サービス地下組織』の刊行を記念して、本書の訳者・塚原久美さんと哲学者・永井玲衣さんのトークイベントを開催します。 60年代末から70年代にかけてシカゴに実在し、女性たちを救うため活動した

          【本のあるところajiro】『ジェーンの物語』刊行記念 永井玲衣×塚原久美トークイベント「生きづらさからの解放のためにいまのわたしたちができること――『ジェーンの物語』から考える」(10/17・オンライン)

          【素面のダブリン市民】第6回 クリスプスことポテトチップス(北村紗衣)

           私は学生時代に3年半ロンドンに住んでいましたが、その間に身につけた一番悪い習慣は、食事がわりにポテトチップスを食べるという食習慣です。日本に住んでいると不健康な食習慣に見えるかもしれませんが、イギリス人もアイルランド人もランチなどによくポテトチップスを食べます。私が留学していた頃の統計では、イギリス人は1年にひとりあたり150袋くらいポテトチップス及びそれに類するスナック類を食べていたそうです。そんなところで暮らしていると、まあ影響を受けてポテトチップスはごはんだと思うよう

          【素面のダブリン市民】第6回 クリスプスことポテトチップス(北村紗衣)