空にピース
街の本屋で単行本を手に取った。『空にピース』というタイトルが書かれている表紙だ。澤木ひかりは、東京の小学校、水柄小に赴任することになった。本文では、小学校における外国につながる子ども達が抱える問題に焦点が当てられ、話が展開される。
通常の小学校では、想像もできない出来事がひかりを困らせていく。安くて質の悪い鉛筆を使っている事・日本語でのコミュニケーションが難しい子がいる事・給食費を払うことができない子がいる事などだ。
タガログ語を話せずに母親とコミュニケーションが取れないフィリピン人と日本人の間に生まれたマアク。「先生、分かりません。」先生の話を理解することができないことを打ち明けたベトナム人のグエン。
ひかりはめげずに子どもたちと向き合う。教師は子ども自身が気づいていない問題を見つけ、理解を示す。「子どもが取る行動には何か理由がある」その理由を分かろうとするひかりの姿勢が徐々に子どもたちへ伝わっていく。