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三日月鬼雷舞~第四章~(松山一族物語)


それから約半年後。


遅い春を迎えようとする越後国のあちこちで不気味な噂が流れ始めた。
山間の村から子供が連れ去られ、また山に入った子供が戻らなくなり、
数日後には屍となって発見される事件が多発している……。
それも獣のように獰猛に襲い掛かられ、
しかし刀で切ったように鋭い切り傷を浴び、
そして全身の肉や腸は食い荒らされていたという。
その凶行は鬼の仕業とされ付近の住民に恐れられた。
麓の住民達は子供を決して山には近付けず、
夜には外に出さないように用心を重ねた。
すると暫くは鬼の仕業も収まったかのように見えたが……
それは飢えた鬼のさらなる襲撃への呼び水となっただけであった。


鬼が来る──

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