夜の伊調薫となれ!第1回熟女法廷(オレンジの場合)
みなさま、熟女法廷に傍聴いただきありがとうございます。
完熟4のオレンジことミドリー判事です。
*日本の裁判制度下では「裁判長」、陪審員制度の場合は「判事」だと、宮部みゆき著「ソロモンの偽証」で学びました。今回は気分で判事と名乗ります。ぺこり。
さてさて、巻いていきましょう。まずは、相談人のお悩みをコピペでおさらいです。
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夫と子ありのアラフォー女性より。
更年期はまだ先だと思っていましたが、生理周期が早まってきたり、感情が抑えにくくなってきたりと、その予兆を感じています。
夫とはいわゆるセックスレスで、それに不満もありませんでしたが、このまま一生誰ともセックスをせずに死ぬのかと思うと、自分が少しかわいそうな気持ちになってきました。
かといって、夫以外の男性と関係をもつと、こちらに非が発生して不倫や浮気となるのが悔しいです。
どうしたらよいでしょうか?
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前回のリレーエッセイで、大文字・太字で堂々と
「人生あっという間。いつどうなるかわからないから、好きなことだけしよー」
と書いたミドリーですので、
ハズバンド以外でもいいじゃない。
YOU、やっちゃいなよ!
が、ご時世的にも期待される判決だと思うのですが・・・。
この相談、もう少し背景が分からないと答えようがないというのが本音だけれど、「それを言ったら終わりの会」とキンチョーのラジオCMになっちゃうから横に置いて。事情聴取の場も与えられていない今、相談人陳述を読み解くしかありません。
関東妄想族リーダーとして首都高をブイブイ言わせているミドリーですが、今回、まずは妄想は控え、冷静に事実を読み解いていこうと思います。
ここ、誤解なきように。
読み解くのはあくまで「事実」であって、「真実」ではありません。
さて、事実を読み解こうと努力すること数時間。ミドリー判事の判決は・・・
執行猶予3か月。
伊調馨となることを命ずる!
判決理由と内容は次の通りです。
まずはじめに。
相談人は、自分がいまプチ更年期であることを自覚している。更年期前後は、女性ホルモンが最後のあがきで暴走し始める・・・とミドリーは思っています。あなたはあなたであって、あなたでない。
今のあなたは「暴走ホルモン」に踊らされていることにまず、腹をくくってください。
さて、相談人の証言にある1文を、下のA)とB)に分解したところ、重要な事実が隠ぺいされていることに気づきました。
A)夫とはいわゆるセックスレスで、それに不満もありませんでしたが、
B)このまま一生誰ともセックスをせずに死ぬのかと思うと、自分が少しかわいそうな気持ちになってきました。
A)とB)には大きな論理の飛躍があります。「夫」とのセックスレスに不満もなかった話が、どうして「夫」ではなく「誰とも」と対象を広げることになったのか。このことを読み解くため、C)へと続きます。
C)夫以外の男性と関係をもつと、こちらに非が発生して不倫や浮気となるのが悔しいです。
これで、明らかになりました。「こちらに非が発生して」という表現は、法的な善悪の下での話ではなく、「夫に対して、私の方が悪いわけ?」と思うこと。つまり、相談人が恐れているのは、自らの不倫で法的な処罰を下されることではなく、一般常識的な道徳観にかんがみた善悪の判断でもなく、「夫との競い合いで負ける」ことです。陳述にある「悔しい」という言葉に、初見で感じていた違和感の正体はコレです。
ぶっちゃけて言うと、もはや相談というレベルではなく、「非を感じる必要がなければ、夫以外といたしたい」暴走ホルモンからの悲痛な雄たけびであると、結論づけせざるを得ないのであります。
そこで、伊調馨となるわけです。
なるしかないわけです。
なぜか?
暴走ホルモンに操られている相談人は、いま現在の目標である「夫以外といたす」という自らの行動に非を感じないために、既成事実を作る必要があるからです。「自分はセックスレスについて、法的間柄の夫ととことんまで向き合いました」という事実です。
執行猶予3カ月の間に相談人は伊調馨となって、夜な夜な夫にタックルを挑んでください。伊調馨は、明確な得意技を持っているわけではありませんが、組み手がうまく失点が少ないらしいですよ。
最近、美しい下着姿を披露した吉田沙保里でもいいかなって思いましたが、ここはやはり、伊調馨の瀬戸際感にあやかりたいところ。アルソックのコスプレで、夫を見守るだけになってもダメですし、ね!(にっこり)。
さて、目にも止まらぬ高速タックル(実は吉田沙保里の得意技)で、夫君を煙に巻き、見事ミッションを成し遂げることができ、お互いに何か新たなパッションが芽生えた暁には、夫婦再生でめでたし、めでたし。
伊調馨の寝技をもってしても夫君と成し遂げることができず、嫌気がさした夫の口から「お願いですから、他でやってください」と言わしめることができれば、相談人は、非を感じることなく、めでたく他に走れます。
私は伊調馨にまでなったのに、
あなたは応じてくれなかった。
と、堂々と世間に宣言できるのです!!
相談人陳述からはお目当ての第三者がいるのかどうかは、わかりかねますが、相思相愛の相手でない場合、そのお相手との行為は「愛の交歓」ではなく、ホルモンのぶつかりあいであることを重々承知することも必要です。
令和初ホルモンのぶつかり稽古
「愛のない交わりってなんて不毛なんだろう」とつぶやいたとき、相談人は、また違う意味の「悔しさ」にさいなまれることでしょう。
愛は覚悟。
昭和の女たるもの、女性ホルモンにも夫にも、腹をくくって挑んでください。どすこい!
おはようございます、マンゴーです。
相談人に真摯に向かい合い、インサイトを紐解き、やさしい笑いで包み込む、これぞオレンジ・ミドリーの真骨頂。
これを読んだ相談人は「あっ」と凍り付くはずです。
相談内容の「事実」から、自分でも気づかなかった「真実」があぶりだされたでしょうから!
マンゴーの脳裏には、アメリカドラマの法廷でお目にかかる、ハイヒールでカツカツ歩き回りながらプレゼンのように陳述するミドリー判事の姿がうかびましたよ……!
(あ、それは検事? 弁護士?)
とにもかくにも、相談者さんは伊調馨の寝技をキメてください!
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