人権弾圧国家を弾圧したがる偽善者たち
「人民を戦車で轢き殺して現世から解放する軍」(中国)
「治安を最も乱す治安部隊」(ミャンマー)
「民主主義指数が最低レベルの民主主義標榜国家」(北朝鮮、コンゴ民主共和国)
皮肉はさておき、歴史上、独裁国家に対する経済制裁が効果を発揮した試しはない。制裁すればするほど、第三国や闇商人が漁夫の利を得てその絆を深め、独裁者は国内権威を強めて時に暴走し、大衆がその圧政の皴寄せを被る。
人権蹂躙をする者はそれが個人であれ集団であれ、精神を病んだ一種の錯乱状態にある。トチ狂った人権意識の低い相手に制裁や圧力を掛けても、却って反感を買うだけ。ますます聞く耳を持たなくなり問題は隠蔽され解決が先送りされる。今まさにDVをしている父親に家の外から「DVを止めないと電気を止めるぞ」と言うようなものだ。相手に響かないし、問題解決にならない。
「人権侵害したから制裁を」という考えは、「いじめをした者は罰すべきだ」「体罰したから教職を辞めろ」「凶悪事件を起こしたから死刑に」などと同じ感情論に過ぎない。自分の処罰感情を優先している、という点で相手と同じ穴の貉である。”自己投影による同属嫌悪”の典型例だ。
人権概念の未熟な者に必要なのは、制裁や処罰や放置や情報遮断ではなく、人権蹂躙せずとも問題解決する具体的な対処法とそれを実現するための知識・知恵・教育。つまりやるべきことは一にも二にも”情報提供”である。あらゆる人権加害者は低水準教育の犠牲者なのだから、彼らを救済することが二次被害の発生を未然防止することに繋がる。
人権弾圧国家の要人への経済制裁などをして正義面したがる偽善者(自民、維新の支持者など右傾化した面々に多いが)は、人権侵害者が何を必要としているのかがまるで分かっていない。「彼らに対する共感力や交渉能力が自分たちには欠けている」という事実を誤魔化しているだけだという自覚すら、ない。「対話と圧力」の圧力ばかりに依存してきたから、その結果として対話のルートも失っている、ということにも気付いていない。
実際、彼らは以下のような最低限の具体的な話し合いどころか、同じテーブルに着いて膝を交えたことすらない。
「選挙で不正があった。だからやり直すのだヽ(`Д´)ノ」byミャンマー軍
その客観的証拠を提示しない限り、国内世論も国際世論も納得しない。デマを根拠に選挙結果を覆そうとするのは米国議院を襲撃したトランプ支持者と同じ。
「ウイグル族やイスラム教徒が暴動を起こすから治安維持のために教育が必要なのだヽ(`Д´)ノ」by中国(以下同)
そもそも宗教や民族は暴動の原因ではない。属性で個人を判断するのは間違い。強制的な剃毛や目隠しをして監禁したり家族へ連絡ができないようにするのは、教育ではなく洗脳。
「人権侵害やジェノサイドなんて嘘だ。中華人民への侮辱だヽ(`Д´)ノ」
であれば正々堂々とBBC等のドキュメンタリーや各証言のどこがどう間違っているのかを具体的に論じなければ意味がない。ただ「フェイクだ」と主張するだけでは反論にならず、逆に「この政府は地方における統制能力はおろか情報収集能力すらない」と思われるのがオチ。
「私は教育施設で中国共産党の素晴らしい教育を受けた、デマに騙されないで、と言っているウイグル人もいるヽ(`Д´)ノ」
それが事実なら外圧により処遇改善が為された可能性を示唆するが、過去に拷問やレイプが発生しなかったことの証明や今後発生しない事の保証にはならない。
「我々にも防衛権がある。一部の大国だけが核兵器を持つのは不平等だヽ(`Д´)ノ」by北朝鮮
核を持てば防衛どころか却って周囲から危険視され、既存核ミサイルの標的になり体制維持も危うくなる。「全ての国が核を持つ」のは悪平等で非現実的。核を持ちたがるのは臆病者だけ。