クレーン事故が繰り返される原因
繰り返すクレーン事故。
「事故の原因」は「操縦者の不注意等」だが、「注意力の乏しい人が操縦している原因」が「免許を簡単に与え過ぎ」という実態にある。
特にキャタピラが付いた移動式クレーンは様々な現場で使われるので、操作にはその都度、的確な周囲状況判断力が求められる。
だがペーパーテストで問われるのは必要最小限の知識のみで、受験者の先見力・危険察知能力等は測らない。
仕事の関係でクレーンや玉掛けの資格を取ったことがあるのだが、実技試験で操作を誤り、吊り上げたドラム缶で障害物を思いっ切り薙ぎ倒していた受講者にも再挑戦させ、合格させていた。
勿論、誰でも緊張はするので1,2度のミスで不合格にするのは理不尽だろう。不器用な人でも実直な性格であれば、それが奏功することもある。
だが「同じような環境下で条件が揃えば同じようなミスを犯すのではないか」という不安は拭えない。
不器用や極度のあがり症の他、せっかち・傲慢・短気・自信過剰・優柔不断が過ぎるe.t.c.、そうした人にも機械を扱わせれば、当然、事故は起こりやすくなる。
同じことは普通車の免許にも言える。小テストをさせて「貴方はこんな傾向があるので気を付けましょう」と注意を促したところで、読んだ人に観察力や想像力は身に付かない。
今の制度のままなら、敷居を高くして合格率を下げない限り事故率も下がらないだろう。