続・Buen Camino 2023 あなたも巡礼に出かけてみませんか? ⑪
11)アヘスAgesへ
6/10(土)
いつもと同じように、朝まだ暗い中、ベロラードの宿を出た。この日は、山越えがあるので、Agesまで荷物の搬送を依頼した。これは結果的に「大正解」であった。体調は悪くはないが、快調という状態にはない。
まだ暗い中であるが、町の広場に大勢の高校生くらいの男子学生がいた。恐らく、みんなでどこかに行くために、集合しているのだ。集団に関わって足止めを食らうと面倒なので、早く通り過ぎようとした。そしたら、学生の一人が「お前はどこから来たのか?」と聞いてきた。面倒臭いなあと思いながら、「日本だ」と言って別れた。ちょっと行くと、その学生が走ってきて、一緒に写真を撮っていいかという。撮ったら満足そうにしていた。しかし、若い彼にとって、50歳以上も年上の見知らぬ老人とのツーショットにどういう意味があるのだろうか、物好きな奴だ、と思った。
一昨年(2022年)にこのブログにこういうことを書いた。それは、昼食のピザを食べてからお皿やコップを運んだら、店員から「お前は日本人か?」と聞かれた。その時に、かつて日本人の巡礼が私と同じようなことをして、それが彼の記憶に残っていたのではないかというようなことを書いた。覚えておられるだろうか?
しかし、今回帰国して考え直した。スペインではサッカーが人気のスポーツであるが、WCで日本人サポーターがゴミ拾いをしたことが世界的に有名になった。ひょっとして、あの時のピザ屋もそのことが頭をかすめたのではないだろうか?。また、この学生も、それが理由で日本人と一緒に写真を撮りたかったのではないだろうか?この推測は間違っているかも知れないが、これと似たようなことは他にもあった。
見知らぬ国に身を置いたことで、日本が、そして日本人が海外からどのように見られているのかを、身をもって知る機会となったようだ。
数時間も続くオカの山越えは、途中休憩できる村も何もない。こういう構造の山は日本では見たことがなく、説明のしようがない。平べったい単調な森が延々と続き、さらには開けた空間があり、底を歩くのだが、果てしなく、いったいどこまで続くのかと思った。ここで雪や雨に遭遇したら相当難儀するし、遭難者も出るのではないだろうか。それより、昔なら山賊が出没したのではないだろうか?ここは、どことなく人を不安にさせる森なのだ。だから、この森を抜け出し、麦畑に来た時にはさすがにホッとした。
途中、スペイン内戦(1936-39)で、フランコ軍によって殺害された人を顕彰する石碑があった。こんな山の中ではなく、もっと他に適当な場所はあるだろうに。
森を抜けたところに、村のレストランがあり、休憩しないわけにはいかなかった。
ここから先は、これまでとは違った緩やかなハイキング道。
しばらくすると前方の麦畑の中に、今日の宿がある村が見えてきた。
この町は小さな村で、スーパーはなく、宿のレストランで夕食を取った。
明日は、いよいよゴールのブルゴスだ。
体調を崩しながらも、よくここまで頑張った。
(27.7km、45,330歩)
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