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Buen Camino 2022 あなたも巡礼に出かけてみませんか? ⑮

(15)「雷雨に会う」

 8/29(月)第11日、曇りのち雷雨 
 この旅では、昼間の暑さをできるだけ避けるために、まだ暗いうちに宿を出るようにしている。暗闇の中にライトアップされた古い聖堂が、数百年の時間を超えてたたずんでいる。満月に近い月がかかっていたが、雲におおわれていた。

サアグンの聖堂

   町は暗くて、壁に施された矢印や道標がよく見えないので困ったが、ここでもナビに導かれて、間違わずに町の外に出ることができた。橋を渡ると、そこから先は見慣れた郊外の風景の中に入っていった。

 道の両側にはトウモロコシ畑が広がっている。飼料用のものだろう。突然、頭の上に水がふりかかってびっくりした。雨かと思ったが、スプリンクラーが作動したのだ。今日は曇っていて歩きやすい。畑に目をやると、土は赤く、石だらけであった。日本の農地とは違って痩せており、作物を作るのには適していない。
 ゴールのサンチャゴ・デ・コンポステーラまで350kmの表示があった。これが200km台になると、もうすぐだ。

硬くて大きな石で埋め尽くされた畑
朝は巡礼の足も速い

  昨日から満足な食事を取っていなかったので、何か腹一杯詰め込みたいなどと、朝から食べ物のことばかり考えていた。10時前に村のレストランに入り、大盛りのハンバーガーを食べた。
 この村を抜けるときに、盛んに指笛が聞こえ、犬でも呼んでいるのかと思ったら、道を間違っているという私への警告であった。「グラッシャスGracias(ありがとう)」と、手を振ってお礼を言った。

 この村を抜けた直後に、パラパラと雨が降って来たので、急いで雨具を着て、傘をさした。南の方からの風と雨が吹き付ける。さらに雷が近づき、雷鳴が光って、瞬く間にひどい気象状態に変わった。平らな畑地なので雷の避けようがなく、焦った。風が左の方から、畑を越えて吹き付けてきて、真っ直ぐに歩くのが難しいほどだ。因みに、ここで傘をさしているのは私だけであった。
 次の村に入る頃には雨は小康状態になって止むかと思ったが、また強く降り出した。どこか雨を一時的にでもしのげる場所がないかと探してみたが、それらしき場所は見当たらない。そこで、少し早いが、この小さな村エル・ブルゴ・ラネロEl Burgo Raneroで、今日の宿を探すことにした。こういう日もあって良い。

 民営の宿屋はアルベルゲの他、色々なタイプの部屋を併設しているので、1人部屋を希望すると、少し離れたホテルに車で案内された。部屋にはバスタブが付いていた(栓はない)。早速、熱い湯を浴びて、冷えた体を温めた。濡れた物をバスタブで洗濯し、持ってきたロープに吊るして乾かした。午後はもっぱら休養に充てて寝た。目が覚めた頃には、雨はすっかり上がっていた。

 夕食は階下のレストランで、いつものサラダではなくマカロニを注文し、それにグリルド・チキンという組み合わせであった。これにデザート、そしてパンがつく。

単調なメセタの風景には飽きてきたので、そろそろ違う風景が見たいものだ。(15km、28,854歩)

土だけでなく家まで赤い


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