Buen Camino 2022 あなたも巡礼に出かけてみませんか? ㉜
(32)プラド美術館 9/14
マドリードで唯一見物したのは、プラド美術館Museo Nacional Del Prado(1819年)であった。幸い、宿から歩いて30分ぐらいの所にあった。
開館前に列に並んだので、10:00の開館とほぼ同時に入場できた。
ここには100以上の展示室があり、小さな小部屋に分割されていた。
エル・グレコ(1541-1614)、ルーベンス(1577-1640)など、スペイン黄金期の宮廷画家たちや、ラファエロ、ティッティアーノなどの作品が展示されていた。
有名なベラスケス(1599-1660)の「ラス・メニーナス」、ゴヤ(1746-1828)の「裸のマハ」、ピレネーを超えて侵入したナポレオンの仏軍によって行われた「1808年5月3日:マドリード市民の処刑」など、本で見たことがある作品が何点もあった。
わたしのお目当ては「ラス・メニーナス(宮廷の侍女たち)」で、前には大勢の人がいたが、それでもゆっくり鑑賞することができた。
なお、作品の撮影は禁止されていたので、残念ながらお見せすることはできない。
幸い、日本語表記の案内パンフレットがあって、見た部屋をひとつづつチェックすることができて助かった。休息を兼ねた昼食は大きな食堂で取った。
ただ、間違いというのではないが、パンフレットに表記が不自然な箇所が数カ所あったので、それを訂正たものを、帰りに案内係に渡そうとしたら、自分では判断ができないという素振りをして、受け取らなかった。「変だなあ」と思って、今度はスーツを着た恰幅のいい年配の人に言ったら、「案内係に渡して欲しい」と、たらい回しの答弁であった。
鑑賞客のためにいいものを作ろうという職業意識はないのだろうか。受け入れる、受け入れないは別にしても、この場では受け取ればいいだけの話である。残念であった。
旅行期間が40日にもなるので、どこかで散髪することになるだろうと、日本を出る前から予想していた。旅先での散髪はかなりの冒険だが、それも異国体験だと考えて、美術館から戻った午後に、宿で近くの店を紹介してもらった。椅子が4席ほどの町の小さな理髪店で、女性が対応してくれた。
髪を切って欲しいことと、前に切ったのは約2ヶ月前だと伝えた。プロにはそれだけの情報で十分だろう。バリカンとハサミのどちらを使うのかと尋ねられたので、ハサミでと答えた。髭剃りはなく、カットとシャンプーで、21.5ユーロ(3000円)であった。
帰国して、常連の床屋さんに行って、頭を見せた。これが一番の土産だと考えたからだ。よく似合っていると褒められた。以来、そこでは、「マドリードカット」をしてもらっている。
(13,182歩)