Buen Camino 2022 あなたも巡礼に出かけてみませんか? ⑯
(16)「雨傘を日傘に」
8/30(火)第12日、晴れ
今日は、期待した通りメセタとは違う風景が時々現れた。レオンが近づくに従って、風景にも変化が生じているようだ。途中にある村を通過する時に、最寄りのレストランに入るのも違和感がなくなり、旅にも馴染んできたようだ。畑は相変わらずのトウモロコシ畑である。
丁度、昼頃にマンシージャ・デ・ラス・ムラスMansilla de las Mulasに入った。比較的大きな町である。レストランがあったので、ハンバーガーを食べようとしたが、その店にはなかった。ここならあるのではないかと教えてもらった店に行ったが、そこもなくて、4軒目くらいでやっと見つかった。腹が減っていたので「バクダン」というのを注文したら、ちょっと大きすぎてお腹いっぱいになり、夕食の時まで残っていた。
再び郊外の道を歩いていた時に、強い日差しを避けるのに、雨傘を使うことを思いついた。案の定、これが実に快適で、どうしてもっと早く気づかなかったのかと後悔しきり。傘の中では帽子を脱ぐことが出来たので、涼しかった。
ただ、この旅の間で、日傘をさしている人には一人も出会わなかった。まして、雨傘を日傘代わりにしているのは、私だけであっただろう。また、ここでは帽子もほとんどの人が被っていない。被っているのは外国人観光客だけであった。これだけ暑いのに不思議である。「夜目、遠目、傘のうち」というのが日本の美意識であるが、それとは明らかに違う。「隠す」のではなく、個性を外に「出す」文化なのだ。いつまでもマスクを取らない日本とは、価値観が違う文化なのだ。となると、日本人にはきつい文化だ。
「雨傘が 日傘にもなる 巡礼路」
足のマメの問題はほぼ解消したようだ。次は、膝のあたりに違和感が出てきたが、こういうものだろう。連日の疲労が溜まってきている。
プエンタ・ビジャレンテPuenta Villarenteは、トウモロコシ畑が広がる小さな村の外れにある宿で、夕食付きで28€。これまで泊まった中では一番落ち着いた雰囲気の宿である。ここは2段ベッドではないので、頭がぶつからなくて快適だ。
アルベルゲと言っても、その中身は多彩であることが少しづつわかってきた。部屋にはすでに中年のカップルの先客がいた。我々だけなので、ゆったりしていた。
なお、この巡礼の旅では、行動が制約されるので、宿は予約を一切しなかった。しかし、比較的早い時間に到着したので、「予約はしていない」と言っても、拒否されることはなかった。これには早めの到着が鉄則である山小屋の経験が生きた。
夕食は、サラダ、豚肉とポテト、アイスで美味しかった。食事には、他に米国人男性と、愛蘭人の女性が加わった。彼らの話にはついていけないので、途中で退席した。
ここまで来るとレオンはもう目の前で、明日の昼までには到着できるだろう。(24.4km、43,550歩)