現代神祇装束考:戦後の神職と位袍(1)
*章・節ごとに少しずつ投稿していきます。
(1)はじめに
こんにちの神職のうち、少なくとも神社本庁の指導下にある者は、大祭や天皇親拝などの祭儀に奉じるとき、その身分に応じて、かつての位袍とほぼ同一の体系を持つ「正服」を著けることになっている(神職の祭祀服装に関する規定第2条)。
しかし、故実の実質はともかくとして、「有職故実」の総体を学問としてとらえるならば、神社本庁包括下にある神職が「正服」もとい位袍を著けることは、古制に違背するものとも思われる。位袍はあくまでも「位