【エッセイ】個性ってバイキングの一皿。
絵を描くにあたり一番悩ましいのは、トレパクではないかと最近思います。
トレパクにならない為に必要な個性ってなんなんだろうと考えて思いました。
個性ってバイキングの一皿ではないか?です。
バイキングは基本的に全員が同じ料理を前にします。
厳密には、時間帯で出されないものがあったりなかったりしますが、とりあえずそこは無視します。
そのバイキングで、どの料理をどれだけ選ぶのかって個性じゃないですか?
人によってはフライドポテトだけを皿に盛るかもしれないし、元を取りたくて高そうな肉ばかり取るかもしれない。
栄養バランスを考えて取るかもしれない、全部食べたいから全部を少しずつ取るかもしれない。
デザートが好きだからと最初からデザートしか食べないかもしれない。
少食だから少ししか食べないかもしれない、とにかく食べたい!とあり得ない量を食べるかもしれない。
複数人でバイキングに行くと、各々が取り終わったお皿を見て「個性が出るねぇ」と言ってしまったのを思い出します。
どの料理をどれだけ取ったのかが個性。
だとしたら、絵の個性も同じなのではないか?と考えてみました。
日々たくさん目にする絵から、どこを良いと思い、どこをトレースや真似をして学びに繋げたか、それが個性じゃないかと。
Aさんから全てを学ぶのも個性。
BさんとCさんから目の描き方を学び、Dさんから髪の塗り方、EさんとFさんとGさんの影の塗り方を複合しても個性。
(前者はトレースしたものを個人利用する場合には法的に問題ありません)
その上に更にバイキングで言うなら食べる量。
自分の力量や取り入れ具合を考えると、もはや誰から学んだとしてもその人の個性になりそうだと思います。
そう考えると、個性ってただの誰かの寄せ集めを自分が食べたものな気がします。
余談ですが、私は女性向けと男性向け、両方のジャンルに生息しています。
絵を描く時は当たり前のように、絵柄を描き分けています。
他人から見たら同じに見える見えないは、この際あんまり気にしないでください。
なぜ描き分けるかと言うと、需要が違うからです。
イケメン好きに美少女の絵を差し上げても恐らく喜ばれないです。
もし喜ばれたらあなたもその道の方か!と変な勘繰りをします。
逆も然りです。
食べたいと思ってる人に、好きそうな料理をお出しする、そんなイメージです。
当然、影響を受けた絵師さんも、それぞれで異なります。
私はたぶんバイキングで例えるなら、お皿を二枚使ってる人ですね。
お皿の数も個性なんだよ……。