【第一景】本に触ってもらえないのは案外『暗い顔をした自分のせいかもしれないぞ?』by新井見枝香
「棚スランプに陥るみんなー!ステージ!アリーナ!二階席!それでは聞いてください(新井さんの話以外もします)…」
■押し本、触ってもらえないかもしれない?
入居1日目。
選書も、レイアウトも、POPも、念入りに設計したカニ座でしたが。
なんと早くも棚スランプになっていました。
あんなに仕掛けたけど
「触ってもらえなかったら意味がないな?」
触りたくなる本って何だと思います?
たしカニ。さて、どうして人は本を触りたくなるんだろう。
タイトルに惹かれて?表紙や色合い、手触りがよかった?
探しものがあった?その本にまつわる知名度やレビューがあって?
面白い仕掛けだったとか?それともなんとなく?
これらがない本は、もしかして、触ってもらえないってこと??
■人が触り続けていられるものって、安心なんだと思う。
カニ座主、実はオープン前から棚ニティブルーを抱えていました。
貸本棚って、売る<社交の場なんです。
売れない棚で下がるモチベーションよりも、押し本の魅力のアピール力が足りなかった自分に凹む不安と自信がある。
そんな棚ニティブルーや棚スランプに素早く届く本(※個人差はあるかもしれません)。それが《はじまりの、「あ」》でも紹介しました、新井見枝香さんの「本屋の新井」なのです。
コンビニに行ったらとにかく笑顔が素敵な店員さんがいて、思わず唐揚げを買ってしまった新井さん。本が売れないって言うけども、それはもしかしたら『暗い顔をした自分のせいかもしれないぞ?』。
新井さんだけではなく、『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』の花田菜々子さん(現:蟹ブックス店長)など、力のある書店員の多くは本との間に人縁をとにかく作る。挨拶だとか初歩的で些細なことだっていい。そうした積み重ねが、いつか推し本に触るきっかけにたどり着く。
と考えると、押し本を触るまでの安心感への過程って、とてつもなく長い。長いけど、そうしているうちに触りたくなる本へ近づいているから不思議です。
■幕引
長くなりましたが、棚スランプに陥った時、私はこの新井さんたちの視点を思い出すようにしています。新井さんは元本屋だけど、この本を開けば本屋の新井さんにいつでも会えるから。
どうか、同じような悩みを抱えた棚主様へ届きますように。そして20歳以上のお友達、よかったら実際の劇場に(これ本題です)。
ちなみに!書籍と電子版ではレイアウトが異なります。つまり2回楽しめるってこと!!
次回こそ新井さん以外で舞台に置いている本の紹介を頑張ります。ここまで読んでくれましたあなたにはとっておき蟹蟹を。
ひとまずkaning soon!!🦀