はじまりの、「あ」
新井見枝香さんこと、『本屋の新井』さんが元本屋になって久しい今日この頃。ストリップ劇場から新井さんを始めとした麗しい踊り子さん達を眺めるエステ生活をしていた私が、なんと来月から静岡県にあるヒガクレ荘様の貸本棚で古本屋「カニ座」を始めます。誰が想像できただろうか。新井さんが本屋を辞めて、お前がなるんだよを・・・。
事の始まりは、ストリップに連れ込んだ本好きの方から紹介された本でした。月1でストリップをキメて整う私がストリップ関連の話題を投稿していた時、その人が『胃が合うふたり』という本でストリップに興味を持ち、一緒に行きたいと申し出てくれたのです。
本の冒頭は著者の千早茜さんと新井見枝香さんが、持ち寄った美味しいお菓子をもぐもぐと頬張り合いながらストリップ観賞しているところから始まります。自分が当たり前にやってることが、著名な著者間も女同士でやりあって堂々と本になっている。新井さんは話数が進む中で本屋さんとエッセイストを続けながら踊り子になっていく。なんなんだこの本は。何よりこの本の出版が許され並んでいる世界が嬉しい、愛しい。成人して本離れが始まっていた私が本の里図書館や本屋に毎週舞い戻るほどになるまで。
あの世界を作ってくれた人達を少しでも応援できる場所があったらいいし、好きなものでもまだ知らなかった楽しいが見つかる・共有できる場所がリアルであったらいい。愛しい本ほど旅に出したいし、積読ビオトープの循環をよくしたい。と様々、ふわふわのカニのぬいぐるみを連れ歩きながら考えていた先月のことでした。
ヒガクレ荘スタッフさん間で「カニの人」として定着した私は声をかけていただき、蟹座期間でもある7月に貸本棚の空きが出ることを知ってしまったのは。このカニのスリーセブンで御縁しかない状況下、なるほど本を選び抜いて魅せるというのは、スポットライトを当てるようで、なんだか劇場みたいだと思い始めました。ではいっそここに劇場を建ててしまおうかな。令和の、劇場ってやつを。
こうしてストリップと本とカニに導かれし棚本屋「カニ座」は、今年7月に堂々開幕いたします。31m四方の舞台から、あなた様と本を結ぶお手伝いをさせていただけたなら幸いです。いつもお世話になっております皆様、棚住民の皆様、これから初めましての皆様、本日カニの日よりどうぞよろしくお願いします。
明日は新井さんのステージを観に行ってまいります、また近々。
Kaning soon…🦀