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短歌。同性愛

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ゲイ歌集 「夜明けの関内、あるいは新宿など」

セックスは 一夜を救う 安定剤 やはり副作用あり 真昼のコールドターキー ~~~~~~~~ 西麻布 「何もないね」 つまんなそうな君 私は飲んでみたいよ サイフォンの珈琲  ~~~~~~~~ 「気持ち悪い」 愛する人が欲しすぎて  つわりではない 吐き気を恨む  〜〜〜〜 舌先を 君の心に 差し入れて さっきのタイ料理の味 二重に楽しいキス  〜〜〜〜 「同性愛」 道端で 目線無視して 手を繋ぐ 恋の正義を 世間が裁く  ~~~~~~ 街灯

    • ゲイ歌集3

      タップして こぼれた言葉に ハッとする 「行くよ」じゃなくて 「帰るね」の返信 月が赤い ラインではしゃぐ 月食の 夜に一人 新宿にいる 血液が 凍てつき差し込む 神経の 痛みにも似た 真冬の別れ 解析す 体叩けば 喜ぶか レスポンスはない サーバーダウン システムに 取り込まれゆく 労働の 疎外を阻害す 君の「おつかれ」

      • スプリット・ミルク 第一話 (小説)

        冬は溶け、しかし、コーヒーはホットがいい3月末の早朝は、薄着のコートに身を包み、新宿を歩く。ぱっと閃いたように鳩の群れが散り、中空を遊ぶ。お土産に買ったコーヒー豆を無印良品で買ったエコバックに入れて、湘南新宿ラインを目指す。飲み歩いた朝は、コーヒーにレモンを入れるような違和感がある。どこかちぐはぐで、罪悪感もある。彼はまだ寝ているだろう。始発の湘南新宿ラインは、南へと下っていく。上りと違って、閑散とした車内は、朝帰りを共有して、罪を運ぶ。私は川崎へと帰っていく。武蔵小杉につい

        • ゲイ歌集2

          マスカット 房の一つを 咥えれば 汁の酸味に 溶けゆく体 障子から 煙たきEchoが 漏れ出して 古いと笑う 浴衣の君と 精神科 クラシック無難な ロマン派の BGMは ドグマチール 一打目の 音粒弾けて 痺れゆく 君のピアノは いつでもforte 東京は 夜の七時を 口ずさむ 帰宅の遅い 君を待ちつつ 貴腐ワイン 甘さの秘訣は カビらしい 生えゆく愛も 似たようなもの 眠らせて ダメだよ今日は 約束の 愛の結晶 睡魔に弱し トレードの 売られすぎです アラート

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        ゲイ歌集 「夜明けの関内、あるいは新宿など」

          むずむず脚症候群 私の脚の中の虫

          デスノートのLのような座り方で勉強をする。それが一番落ち着くからだ。持病のADHDは姿勢にまで影響を与えるらしいと最近までずっと考えていた 電撃が走ったのは約一ヶ月前。Yahooニュースか何かでむずむず脚症候群について取り上げられていた。過去に治療したことがあったのだが、留学もあって治療を中止していた。私はこの病気について、すっかり「寛解」したものだと思い込み、脚の裏側に虫を飼っていることに最近まで気づかなかった。 そう、虫。この感覚を伝えるのは容易ではない。脚の骨を虫が

          むずむず脚症候群 私の脚の中の虫

          精神の自粛 東京から灯りが消える日

          明かりは公証である。社会の一員として認められ、法的に認められた存在を示すものは、お店の看板である。お店は、その看板に明かりを灯すことで、都会の暗闇の中で、公然たる存在となる。 明かりを消せというのは、すなわち、その店から公然性を奪うということである。それは時短営業が物理的に営業することを奪うよりも強烈である。明かりを消せというのは、精神に対する規制なのである。 一度も入ったことのないお店に入れるのは、ぼんやりとした明かりの中に、信頼を見いだすからである。この店は入ってもい

          精神の自粛 東京から灯りが消える日

          Destrudo For What ; You know say not be but around me

          川崎市は、ちょうど大田区の下に位置し、武蔵小杉駅、川崎駅の2つの駅をハブとして、東京中心部へ、直結する。 武蔵小杉駅、川崎駅は、駅周辺部に、高層マンション、大型ショッピングモールを抱え、地形の高低差ゆえに、高架が幾重にも重なる。 私が、川崎に引っ越してきたときは、無数の車が流れる川、行き止まり、歩行者を阻む大きな敷地、南武線の踏切が、まるで歩行者の存在をまるで考えられていないような気がして、「線路が街を分断するとはこのことか」と、道に迷うたびに、川崎市の独特な街の様相に戸

          Destrudo For What ; You know say not be but around me

          人工知能は裁判官になれるか。人工知能は司法作用の本体となれるか。

          司法作用は、法はもとより現在に至るまでに蓄積された、判例と、提唱されてきた学説をもまた、参考にするのであり、これらを、社会の変化に伴って、法の内容とその目的、手段の点から判断し、取捨選択して、自身をして発展せしめるという性質をもつが、現在の科学技術はこれらを充足させるには至っていないと言わざるを得ない。また、今後もこれらについて、人間よりも人工知能が優れた能力を持つことは考えにくい。そもそも、人工知能を作るためには、人間の工作した機械がその設計において、数字や、文章などその形

          人工知能は裁判官になれるか。人工知能は司法作用の本体となれるか。

          限りなく近い隣人=母=ミセスK

          私にとって、母は、よき理解者であり、存在そのものが、Asylumである。 私は、その母に、「あなたは、この上なく、近い、愛する隣人」であると言っている。 隣人は、「他人」ではない。しかし、自分とは違う「他者」である。 私は、血を信じない。私と、母は生物学上、遺伝子の一致率は大きいが、別の脳と人格を有する他者である。私と母は、よく互いを理解しているが、同一ではない。戸籍は、システム上、都合がいいから使われているだけで、私と母の、国民番号も、口座番号も違う。そして、長くを共

          限りなく近い隣人=母=ミセスK

          説明の仕方

          *これは、私の経験的な知識に基づく考えであり、これを学術的な引用として用いることはできない。 ものを説明するには、説明の原点である哲学に還元して考えると良い。 哲学は、アリストテレスによって、その方向性が整理された。哲学の学問するところの対象は、Yベクトル(階層)とXベクトル(時間)の2つの位置ベクトルが表すところによる。Xベクトルは、原因と結果を、Yベクトルは、ミクロとマクロを表すと考えて良いだろう。全ての学問は、このアリストテレスによって整理された分類に基づき、全てを

          説明の仕方

          ハウスマヌカン --エピローグ(1/3)--

          「アパート、二階の一番奥の部屋ね。インターホンないから、ドア、叩いて。すぐ開けるから。」 菊名の駅から、歩いて15分ほどの築40年の彼女のアパートは、街灯も何もない、神奈川の孤島にある。東急東横線の沿線といえど、ここは、大阪の箕面(みのお)のように、車がなければ、何ら、金持ちとは言えない場所である。最も、彼女が、このアパートを紹介されたとき、彼女は、関東の様々な地区のことはよく知らなかったらしいし、菊名駅は、東急とJRの2路線があり、快速も止まるから、非常に便利であると不動

          ハウスマヌカン --エピローグ(1/3)--

          彼はまだ「前年」に生きている

          2020年になった。ちょうど、12月31日から、1月1日に変わると同時に、年数の数字が切り上がったわけだ。正月や初詣といった字句を飾られた1月1日は、ノスタルジーを見せながら、人々を、浅草や、伊勢に向かわせる。それぞれに、近代の日本ではなく、江戸以前にタイムスリップしたかのような、錯覚を抱きながら。ーーそう。これは錯覚なのだ。タイムスリップなど不可能だとか、興ざめな物理を言っているのではない。すでに、ノスタルジーを感じる「常識」において、大きな錯誤がある。 1月1日は、本当

          彼はまだ「前年」に生きている

          気圧という名の病 雨の時、頭痛。それ、防げます。(執筆中)

          「今日は、雨だから、頭痛もするし、関節も痛い。さらには気分が鬱陶しい」 古傷が痛むというように、雨の日に身体の不調が起こるというのは、古くから知られていたことである。これは、人間の経験に基づくものであるが、気候の変化が、身体のホメオスタシスに影響を及ぼすこととは、演繹的に、導かれることでもある。 雨が、体の調子を悪くするというが、その元凶の本体は、おおよそ、次の3つである。 気圧・太陽光の遮蔽・気分一致効果 (執筆中) 解決策 飛行機に乗る時に、頭痛を防止するため

          気圧という名の病 雨の時、頭痛。それ、防げます。(執筆中)

          あなたが棄てた一票は、ある人が、どんなに望んでも得られなかった一票です。

          選挙のたびに投票率の低さが問題になる。投票率の低さは、ある種(例えば政治不信)の民意の表明であるという考えもあるだろうが、あなたが有する選挙権は、どんなに望んでも手に入れることのできない人もいる中で与えられた、貴重な一票であることを忘れないでほしい。 説教くさくなると、読むのに疲れてしまうだろう。だから、私は、その貴重な一票を手に入れるために戦ったある女性のエピソードを語ろうと思う。 2013年3月14日、東京地方裁判所の傍聴席は、拍手喝采に包まれた。この裁判は、最高裁の

          あなたが棄てた一票は、ある人が、どんなに望んでも得られなかった一票です。

          カルトと「普通」の宗教の見分け方

          「死に至る病とは絶望である」 キルケゴールのあまりにも有名な言葉である。キルケゴールは、熱心なクリスチャンであるが、彼のこの言葉はキリスト教の本質をついている。 キリスト教は、「死」の宗教ではない。愛の宗教であり、愛することは当然、死んでは不可能だから、そこから、私は、キリスト教とは「生」の宗教と言い換えたい。ニーチェとは真逆の意見だが、私は、キリスト教の本質が、今、ここにいる私と生であることと信じている。そして、それは、カルトと正統を見分ける秤になる。 キリスト教は、

          カルトと「普通」の宗教の見分け方

          ゲイの歌集 「夜明けの関内や、あるいは新宿など」

          セックスは 一夜を救う 安定剤 やはり副作用あり 真昼のコールドターキー ~~~~~~~~ 西麻布 「何もないね」 つまんなそうな君 私は飲んでみたいよ サイフォンの珈琲  ~~~~~~~~ 「気持ち悪い」 愛する人が欲しすぎて  つわりではない 吐き気を恨む  〜〜〜〜 舌先を 君の心に 差し入れて さっきのタイ料理の味 二重に楽しいキス  〜〜〜〜 「同性愛」 道端で 目線無視して 手を繋ぐ 恋の正義を 世間が裁く  ~~~~~~ 街灯

          ゲイの歌集 「夜明けの関内や、あるいは新宿など」