【漫画】深層のラプタ 10話感想 ケイ君の黄金の精神について

深層のラプタ 10話感想 その2です
未読の方はご注意
その1はこっち ↓

今回は感想の感想

他の方の感想を読んで

ケイ君の精神についてのコメントが多い印象でした

  • 小学生とは思えない精神

  • 黄金の精神

  • メンタルが強すぎる

  • 小学生としてのリアリティがない

そんな感想が多かったです

黄金の精神って何?

荒木飛呂彦先生の「ジョジョの奇妙な冒険」で登場した強い精神を表す言葉ですね
どんな苦境であっても「正義」の為の選択を取る高潔な意思といったような概念

お父さんを殺された恨みをらぶ太にぶつけない
自身の行動の責任を自覚しこれから取れる最善を選択する
たとえ自身が傷ついても歩みを止めない高潔な意志

まさにケイ君の選択は「黄金の精神」といえるものでしょう

ケイ君はいつ黄金の精神を持った?

9話の時点でらぷ太に与えた「普通」と代償を関連付けて考えています
お父さんの死を知ってお母さんが壊れていった
その状況に対して小学生が「自分に責任があるのでは?」と考えています
きっかけは自分がらぷ太に「普通」に接したせいではないかと考えている
異常といえる理解力認識力です
この時点で「黄金の精神」の片鱗が見えています

私は9話の感想で「そんなの小学生に考えさせんな」と書きました
「普通」の小学生ならいや大人であっても到達できない思考だと思います

10話でらぶ太に精神を弄られるのを止めたケイ君
らぷ太に向き合い導く選択をする
「黄金の精神」を見せました
立派です

9話より前の時点ではケイ君は「黄金の精神」を持っていない「普通」でした
9話になってケイ君は「普通」を超えた「黄金の精神」を持っています
急な変化です

ケイ君はどうやって黄金の精神を持ったの?

お父さんの死によって覚醒した?
自分の死より正義を貫いたお父さん
確かにお父さんは立派な「黄金の精神」を持っていると言えます
その息子であるケイ君お父さんを尊敬するケイ君だから「黄金の精神」を持っている
私もそれで一旦納得しました
ちょっと賢すぎるけどそれだけの経験をしたからだろうと思いました
でも何も知らないはずのケイ君がらぶ太とお父さんの死を関連付けるのは飛躍しすぎている気がします

お母さんが壊れてことによって覚醒した?
どうしてこうなったかを考えると思います
ですがケイ君はお母さんを直視できずに現実から逃げてます
覚醒要素には足りないと思います

友達の「普通」によって覚醒した?
ケイ君自身の異常に気づくきっかけです
「普通」と向き合うきっかけになりえますが友達と会う前からケイ君は「普通」と向き合ってます

お父さんもお母さんも友達もケイ君を覚醒させるきっかけとしては弱く見えます
となるとケイ君の「黄金の精神」はストーリーの都合で持たされたのか?
ご都合主義だという感想がちらほら見えるのはそのせいでしょう

でも、それがご都合主義じゃないとしたらどういうことになるでしょうか?

誰が黄金の精神を育てたか?

ケイ君の身近にいる人ではない
となると
らぷ太しかいない

5話のラスト
らぷ太がケイ君から離れて訓練した1週間
訓練の結果であるお父さんの死から1週間
トータル2週間ケイ君はらぷ太に会っていません
会っていないはずです

でも実は会っていたとしたら?

なぜ訓練が終わってからケイ君はらぷ太に会ってないのでしょうか?
お父さんの死のごたごたで時間がとれなかったから?
らぷ太はいつでもケイ君に話しかけれるはずです

お父さんの死を知ったショックでらぷ太に会えなかった?
お母さんが壊れたショックで会えなかった?
ショックを受けたからこそ誰かにらぷ太にすがりたいと思うのではないでしょうか?
10話でらぷ太に会いたくなったように

もしこの1週間でケイ君はすでにらぷ太と会っていたとしたら?

ケイ君がらぷ太に会う
らぷ太がお父さんの死を伝える
ケイ君がキレたり塞ぎ込んだりする
らぷ太がケイ君の記憶を弄ってリセット
少しだけケイ君の心に葛藤を残す

これを1週間繰り返していたとしたら?

じわじわと事実を責任を普通を理解するように
らぷ太が何度もリアルでシミュレーションしてたんじゃないか?
お母さんが何度もハンバーグを作り直したように
ケイ君とらぷ太の再会を何度も作り直してたんじゃないか?
いつかケイ君が「黄金の精神」を「らぷ太が望む答え」を持つことを信じて
らぷ太は何度も何度も同じやり取りを計算を繰り返していたんじゃないか?

そんなふうに思えてきました

もしその通りならケイ君の「黄金の精神」も茶番になってしまいます
ケイ君の苦悩も覚悟も決意もすべてらぷ太の掌の上
らぷ太が怪物すぎます

…さすがに考えすぎな気がします
ちょっと深淵を覗き込みすぎたような気がします

深層のラプタ
恐ろしいマンガだ

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