昨日におはよう
目が覚めておはようございますと呟く私は、昨日に別たれてしまった自分自身に細胞たちに別れを告げている。
私だけれど私ではなかったもの。ものたち。お互いに相手の一部であることすら知らなかった。
しかし確かに、細胞死したものらが、わたしから毎日排出されている。
毎日、無数の、幾千万もの私が、死んでいる。
それから、生まれ変わる。
新しい細胞に。
「おはようございます」
には、別れと祝福がふくまれている。例え、隣に誰もおらずとも、大切なあのひとは遥か彼方の宇宙に去ってしまったとしても。
それでも、私は、毎朝、起きて顔を洗うし、呟く。挨拶を。死んだ私たちに、生まれた私たちに。自分自身に。
毎日、1日分の24時間は、どんな億万長者にも不運なる人間にも訪れる。
おはようございます、も、等しく。
だから、一回だって多く、私は、おはようございます、って鏡のなかの私自身に向かって告げる。
一日でも、一回でも、多く。
おはようございます。
おはようございます٩(*´꒳`*)۶
END.