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GDP(国内総生産)③

国民経済計算の種類

国民経済計算の種類・関係は以下の通り。

国民経済計算

GNI(Gross National Income):国民総所得
以前はGNPと呼ばれていたが変更された。
国民(海外にいる日本人も含む)が1年間に得た所得の合計を表す。GDPに海外からの純所得(利子や配当など)を含めたもの。

NNP(Net National Product):国民純資産
GNI(国民総所得)から固定資本減耗(=減価償却費)を除いたもの。固定資本減耗を差し引くことによって、GNI(国民総所得)よりも純粋な付加価値を算出することができる。Netは、「正味の、純」という意味がある。

固定資本減耗:固定資産について、通常の摩耗・破損や事故による損害等から生じる減耗分を評価した額。

NI(National Income):国民所得
1年間に国民(海外にいる日本人も含む)が稼いだ所得の合計を表す。NNP(国民純資産)から間接税(消費税など)を差し引き、補助金を足し合わせたもの。
間接税を差し引く理由は、モノ・サービスの本来の価格に間接税分(=消費税)が上乗せされてしまっているから。補助金を足し合わせる理由は、その分だけ値引きされてしまっているから。

直接税を差し引かない理由は、直接税(所得税や法人税など)は、製品価格に上乗せされるものではなく、企業や個人の所得から政府が徴収するものであり、これは単純にお金の所有者が移転しただけのことである。従って、元々は国民が生み出した付加価値にほかならないから。
ex)ある製品が110円で販売されたとき、その価格に消費税による加算分10円、補助金による値下げ分5円があったとすると、その製品の本来の価格(価値)は、
110円(国民純生産)-10円(間接税)+5円(補助金)=105円と考える。

DI(Domestic Income):国内所得
日本国内で1年間に生じた所得のこと。NI(国民所得)から「海外からの純所得」を差し引いたもの。
雇用者報酬(=労働者の所得)と営業余剰(=企業の所得、営業利益に相当)を合計したもの。

営業余剰:市場において利益追求を目的とする産業のみで発生するとされ、政府では生じないとされる。

NDP(Net Domestic Product):国内純生産
GDP(国内総生産)から固定資本減耗を差し引いたもの。
NDPはD(国内)なので、海外からの純所得は含まない。

GNI(GNP)-固定資本減耗=NNP(国民生産)
GDP-固定資本減耗=NDP(国内生産)
G(総)から固定資本減耗を差し引くと頭文字がN(純)になる。

要素費用表示?市場価格表示?

要素費用表示とは、製品の生産のために必要な生産要素に対して支払われた費用(雇用者報酬、営業余剰など)による評価方法であり、「間接税-補助金」を含まない。
市場価格表示とは、市場で取引される価格による評価方法であり、「間接税-補助金」を含む。

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