若い医師の基本的な手術技術の習得
”最近の若い者は・・”と言いたくなるのは、オジサンの証拠でしょうか?😅
テクノロジーの進歩に伴い、結構「雑に」操作しても大丈夫である場面が増えている現実は、様々な分野であるかと思います。
手術についても同様で、近年の医療器具の発展は目を見張るものがあります。
一方で、「雑に」実行しても大きな問題とならないため、超基本的な技術を習得できていない若い医師が増えていることも最近は実感しています。
この責任が誰にあるかと言えば「我々、指導医」の立場の者たちです!
つまり、オジサン(あるいはオバサン)医師たちです。
指導医の中でも、すぐに新しい道具に飛びつき、「その道具の」習得ばかりを好む医師がいます(私の専門である整形外科医の中には結構・・)。
そのような指導医の多くは「新しい道具に興味がある」という好奇心で新しい器具を導入しますが、中には「業者と個人的な取引をして・・」という悪い医師もいます(かつて一緒に働いた先輩の中にも数人いました)。
新しい道具も使えるようになることは大切ですが(本当にその器具が有用であることが大前提ですが)、その特殊な道具が無くてもきちんと実行できる「基礎的な技術」はもっと重要です。
整形外科ですと、
という、課程が多くの場面であるのですが、これが正確にできない若い医師が多いです。
最近は手術ナビゲーションシステムや、手術ロボットなどが整形外科領域にも普及してきています。
これらを使えば、「どの方向に」や「どのくらいの深さまで」を機械が示してくれます。
しかし、この機械はどの病院にもあるわけでもないし、どの手術にも有用なわけではありません。
やはり、指導医が若い医師たちに基本的な手技を伝授していく重要性を日々感じていますが、そのような手技を若い時に教えてもらえなかったオジサン医師が多いのかもしれません。
私は、幸い教えてくれた先輩がいたことと、医局外にも積極的に参加し勉強したことが良かったのかもしれません。
私が学んだ基本的なことは、次の世代にも伝えていかねばと強く思う今日この頃です。
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