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病気腎移植を推進した医師
医師の万波誠氏が亡くなられたそうです。
81歳でした。
万波医師は、腎臓がん患者から摘出した腎臓の腫瘍の部分を除き、腎不全患者らに移植する「病気腎移植」をおこない、一時とても有名になりました。
私はこの病気腎移植の話を聞いたときに「がんの腎臓を移植しても大丈夫なのか?」という安全性の不安を感じると同時に「移植ドナーの少ない日本において、画期的な方法だなあ」と感心する気持ちの両方がありました。
しかし、メディア等はどちらかというと批判的な内容が多かった気がします。
医学会からも「不適切な手術」と声明が出され、2007年に厚労省は「病気腎移植は原則禁止」と通達しました。
かなりメディアでも取り上げられて、万波医師も連日追いかけられていました。
そのメディアの中で移植を受けた患者さんが「たとえ、がんの腎臓でも一日おき(週3回)の人工透析を受けなくて済むようになって、とてもうれしい。医師には感謝している」という内容を述べられていたのが印象的でした。
確かに1回につき数時間・週3回の人工透析は、体力的・精神的に大変だと思います。
私の身近な人にも通院している人がいます。
病気腎移植を受けたいと思うか、受けたくないと思うかは、その患者さんの判断によると思います。
ですので、メリットとリスクをきちんと説明した上で、希望する患者さんは受けられるようにするのが一番合理的だと私は思いますが、「ゼロリスク」を考える傾向のある日本の大組織では、なかなか難しい事も想像できます。
大きな挑戦をした医師のご冥福をお祈りいたします。