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大学の医局制度の下で、病院の医師たちは点数稼ぎ争いを強いられている

昔の書籍、ドラマ

大学医局」と聞くと、私は「白い巨塔」のタイトルの本およびドラマがまず頭に浮かんできます。

大学生の時に本を読んで、「自分がこれから働く職場はこんなに大変なの~!?」と思った記憶があります。

そして、働き始めて数年後の2003年にドラマとしてテレビ放送されました。
しかし、それまでに数回ドラマ化されていたようです。

当時、私は録画をして見ていました。

学生時代に本で読んだ内容を思い出しながら、毎週楽しんでいた記憶があります。

この2003年版ドラマは、昨日(7/21)~関西テレビで再放送が始まったようです。

医局制度の問題点

話を現実の医局制度に戻します。

医局制度に関しては、私のブログ記事で以前書きました。

本日は、最近感じている事をもう少し深堀したいと思います。

ブログ記事にも書きましたが、大学医局は医師の人材派遣業を実質担っています。

「大学医局本部から一般病院に医師を派遣する」という派遣業です。

これは、メリット・デメリットともにあるのですが、最近デメリットとして強く感じることが、「一般病院の責任医師(部長や科長)は、大学から医師を派遣してもらうために、業績を無理してでも上げなければならない」ということです。

この場合の「業績」とは、「手術件数」と「学会発表・論文の数」です。

業績が低いと、医師を派遣してもらえなくなり、一般病院の科長は人手不足で困ってしまいます。

そのため、無理をして手術件数を増やす論文をたくさん書くということが必要になってきます。

医者のノルマ

会社でよく聞く「ノルマ」に似た感じにも思えます。

このノルマを病院(の科長)に課すことの良くない点は、「必要性の低い手術を行う」傾向になることです。

手術をするか保存治療にするかは、明確な基準に当てはめられない場合が多いことも、この問題をグレーにできてしまう要因です。

不正論文が科学者の間で定期的に明るみになることも、この「ノルマ」による結果でしょう。

手術実施前には、どのような手術を行うかというカンファレンスが開かれますが、科学的な議論は優先されず「トップダウン」で決まる場合も多いです。

もはやカンファレンスは「きちんとみんなで話し合って治療方針を決めました」と既成事実を作ることが目的になっている気すらしてきます…

そして、若い医師たちは「ああ、このような疾患は手術が必要なんだ!」と誤った知識をつけてしまいます。

大学間の競争

白い巨塔である大学医局が一般病院にノルマを課さないようにすべきでしょうが、大学間での競争もあるので、無理なのでしょうね。

私ごときの力ではどうにもできません・・・

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