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日本の病院の待合室の混雑
以前、病院の待合室が混んでいるという投稿を医療従事者からの目線でしました。
最近、父の病院受診の付き添いをしたので、「患者目線」での感想を述べたいと思います。
総合病院に予約で定期受診をしたのですが、やはり待ち時間は長かったです。
血液検査もあったので、その結果が出るのを待つ必要もあったのですが、合計約2時間の待ち時間です。
当然「早く診察室に呼ばれないかな~」と思います。
しかし「医師も看護師も精一杯頑張ってくれているのだから、持つのは仕方ない」という事もわかります。
その中で、私が働いている病院よりも、父の通う病院の方が「待合室が空いている」ことに気付きました。
これは色々な要素があり、「単に待合室のスペースが広い」という事もある気がしますが、一番大きい要素が「完全予約制」という事だと思います。
つまり「予約なしの患者さんをその診療科では診ない」という事です。
基本的には、「かかりつけ医(開業医)で診療を受けてもらい、病院で高度な医療が必要と判断された患者さんのみ紹介状をもって予約受診する」という、まさに国が推し進めている「病診連携」がなされているということです。
この病診連携は効率の良いシステムなのですが、考えた通りにうまくいかないのが「自分自身のからだの健康」を扱う医療の難しさであったりもします。
日本が世界に誇る「国民皆保険、自由な病院受診」に長年慣れ親しんできた人々の「大病院志向」は、そう簡単には変えられません。
「風邪で大学病院受診」は以前より減っているとは思いますが、完全にゼロにするのは難しいでしょう。
私の働いている病院には、腰痛・肩痛・膝痛の人たちが予約無しでかなり受診され、とても混雑します。
完全予約制にすれば混雑はかなり緩和されますが、私たちの地域には整形外科開業医が多くないため、そのような患者さんが行き先に困ってしまうという点が、「病院の完全予約制」の問題点です。
今回父の病気を通じて、日本の高齢化に伴い患者さんも増加することを実感しました。
少ない医療者でより多くの患者さんを診られるようなシステム作りをしつつ、病気の予防についての啓蒙活動も、国・医師会・企業には期待したいです。