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なべぶた。





共通の友人を交えて久しぶりに会った。


穏やかに進む楽しい時間。

友人が席を立ち、2人で話すとき、
少しずつだけど2人で積み上げてきたものは確かにあるなとじんわりと胸があたたかくなった。


今、もう誰かいるのかな。

それさえもこわくて聞けないけれど。


前みたいにバイバイするときに悲しくならなかったから、もう大丈夫。



大丈夫。




会えて嬉しかったなぁって、眠りにつく。


大丈夫。


もう大丈夫。




朝。

帰りの電車で突然涙が出て驚いた。





どうした私。
人目につかないよう慌ててハンカチを取り出す。



約半年会わない間、
新しい出会いもあったし、
それなりに楽しく過ごしたし、
もう大丈夫だって思ったんだけどなぁ。

おかしいなぁ。


閉じてた思いが溢れたのか。
沸騰したお湯がこぼれるみたいに出た涙。
無意識に閉じてた蓋が押し出されたみたいだったなぁ。



それとも、何かを乗り越えた終わりの涙なのか。

自分でもわからない。

出会ってから10回目の冬。

あぁ、好きだなぁと自覚してしまってからは、

何回目の冬だろう。

彼に会った帰り道はいつも泣いている。

情けない私。


彼の前では泣けない。

何も言えない。

困らせたくない。

情けない私。



叶わない恋だからか。

もしかして、もしかすると、
何か縁あって、出会うと無意識に涙が出るとかそんなことだったり、しないかなぁ、しないよなぁ。10年間、あっという間だった。

そんなことをぐるぐる考えながら。



改札を通って日常に帰っていく後ろ姿を回想すると泣けてくるんだよ、
私の知らない人に戻る瞬間、
とてつもない寂しさが覆うんだよって。

直接言えないから、ここで。

ここに書きたいなぁと思うのは彼のことで。

うん、彼のことだったりする。

また蓋を閉じて、

私も日常に帰るよ。

無理してないよ。元気だよ。

そしたら。


#つらつら #冬 #日記 #のようなもの #置き手紙

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