【担当作発売】『恋になるまで、あと1センチ』指先が、心に触れる、その意味を考えて
こんにちは、マイストリート岡田です。
noteの記事を書くのがだいぶ久しぶりになってしまいました。年末あたりから仕込んでいた昨日が、3~6月でいろいろと刊行されます。
3月は春らしい一作。
第9回ネット小説大賞を受賞した
『恋になるまで、あと1センチ』
です。
著者は六つ花えいこさん。(@eieikko)
『どうも、好きな人に惚れ薬を依頼された魔女です。』『死に戻りの魔法学校生活を、元恋人とプロローグから(※ただし好感度はゼロ)』などのファンタジー恋愛ものを刊行してきましたが、本作が初の現代恋愛ものです。
イラストはUZNoさん。(@UZyuzu37)
身長差のある二人のデートシーンを、絶妙な距離感を表現して描いてくださいました。
忠犬男子と距離感バグ先輩
本作の主人公は、バレーボール部の長身男子・楢崎颯太。
彼がある日、階段から落ちてきた小柄な先輩・篠を助けたことで物語は始まります。
空から女の子が降ってくる……という偶然の出会い。天使かと見まごうばかりに可愛い篠先輩との出会いに、颯太はときめくのですが、短絡的に動かないのが彼の良いところ。
陰キャなわけでもなく、チャラい思考をしているわけでもない。ちょっとズレているところがあるとしたら、彼は「先輩の言うことは絶対に従う」というルールを厳しく守る、忠犬男子なのでした。
命の危機を助けてくれた颯太にお礼を言い、怪我をしていないか心配してくれる篠先輩ですが、朴訥かつ生真面目な颯太を、なんだか気に入ってしまった様子。篠も篠で、アプローチをかけたい相手に対しては「距離感がバグる」癖があるのでした。
忠犬男子と距離感バグってる先輩。
そんな二人のやり取りを描く、恋になるまでの、ほんの1センチがなかなか縮まらないラブストーリーです。
好きになるってどういうこと?
天使のような美貌を持った篠先輩ですが、それ故に「顔の良さ」だけを見て近づいてくる男子があとを絶ちません。
なので、篠自信は「自分が顔の良さでモテている」状態に辟易していました。これがこのお話の重要ポイント。
対する颯太は、篠を可愛いとは思っていますが、それを理由にお近づきになりたいなどと邪な思いを持つ男ではないのです。というよりも、「先輩である」ことを優先してしまうのが、颯太の忠犬たる所以です。
そんな颯太だからこそ篠は心を開き、彼の前ではふわわっと笑うのです。
人はどうしても、他者を見るときに、その人の外見や属性などの表層で判断しがちです。けれど、対人関係で本当に大事なのは、相手と向き合い、しっかり相手のことを知ろうとすること。
相手のことを知っていくことで、「好き」が増えていく。体温が感じられるほど近くへ行くけれど、心の間合いは保って急に踏み込みすぎない。
その付かず離れずの距離感が「あと1センチ」なのだと思います。
恋になるまでの1センチは、縮まるの?
先輩と後輩で、身長差が30センチもある凸凹な二人の恋路がどうなるか。
それはぜひ、本書を読んで確かめてください。
ピュアで心が温まる、優しい物語を約束します。
篠の、颯太に対して好意を伝えていこうとする仕草も行動も愛おしいですし、颯太の生真面目すぎる気持ちが徐々に篠に対する好きの気持ちに変わっていく様子も愛おしいです。
書籍版の冒頭はこちらから試読できますので、是非チェックしてみてください。
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