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寿司屋で頭抱える日本人2人と爆笑しているドイツ人

先日英語がスムーズに話せる日とそうじゃない日があるという話を書きましたが、今日は英単語に頭を抱えたエピソードを紹介したいと思います。

まだ会社員だったころ、定期的に海外から同じグループ会社の同僚が仕事で日本にきており、日本での楽しみは仕事後に日本食をみんなで食べることでした。いつもはドイツ人、アメリカ人、日本人数人でご飯を食べており、ドイツ人はかなりグルメな反面、アメリカ人の同僚がとにかく生物、魚をあまり食べたくないという、少し選り好みがあるタイプで、グルメなドイツ人同僚がある時そっとささやくのです。今回はとりあえずお寿司が食べたいから、アメリカ人同僚がいない時に行きたい!!と。気持ちはわかるよ、今まで日本にきて、刺身も食べずによく揚げ物三昧でも文句言わずに付き合ってくれたよ、だから今回は彼が早く帰国するからその時にお寿司行こう!と(みんな彼に疎外感を味わって欲しくなかったので、日程的に誰も傷つかない日を選んでお寿司へ笑)

私がよく行っていたお手頃だけど、おまかせができる築地のお寿司屋さんにドイツ人同僚、日本人同僚、私のメンバーで向かいました。
カウンターに座った時から、隣に座っているドイツ人同僚のワクワクが伝わってきます。嫌いなものが一切ないから、おまかせで一通り食べてから、あとはネタを追加で注文したいと。この時点でお寿司に対する意気込みもかなり感じられます。

ここからが本題なのですが、その前に一緒に行った日本人同僚がこの話のかなりのキーパーソンでして、同僚は生まれも育ちもアメリカの大都市で、高校生の頃は日本人が経営している寿司屋でバイトをしていたと。この部分がこれからの話で重要です。

さて、ドイツ人がとても楽しみにしているおまかせがスタートしました。最初はちょっとした野菜や刺身のおつまみがでて、いざ握りがスタートです。

ドイツ人は日本語ができないので、一貫、一貫出るたびにトキメキながら私たちがネタの名前を英訳をしてくれるのを待っているのです。
最初はマグロ、タイ、スズキ、イワシ、カツオ等みんなが知っているネタで、英語でもTuna、Sea beam、Sea bass、Sardine、Bonitoと順調英単語がでてきていたのですが、コース中盤にさしかかってくると、鯛は鯛でも金目鯛や甘鯛のように鯛の前に種類を示す単語がつきはじめた時から雲行きが怪しくなっていき、
私「次は⚪︎⚪︎鯛だけど、英単語わかりそう?」
日本人同僚「いやー、ここまでになってくると、単語がわからないな」
私「アメリカの寿司屋でバイトしてた時にこのネタ出してなかった?」
日本人同僚「2000年代初めにバイトしていたアメリカの寿司屋だと日本の寿司屋でメジャーなネタは扱っているけど、日本の季節を感じる色々な種類になってくると出してなかったから英単語がもうわからないな」
と2人で頭を抱え、日本人同僚がドイツ人同僚に
「鯛の仲間だけど、白身には変わりない(White Fish)」(決してなげやりでもなくて、携帯で調べればいいんですが、なんとなく食事中に携帯を出したくなかったので、出せる知識を振り絞り、頭を一生懸命抱えた結果のその時にできる限りの返答)
このWhite Fishのやり取りが3回くらい色々な白身の魚で続いた時にドイツ人が
「さっきから見た目はかなり違うけど、White Fishが連続してきてるのをみると、⚪︎⚪︎(日本人同僚)はアメリカ生まれ育ちでカニアがいうには寿司屋でバイトしてても、魚の細かい名前までくると訳すの難しいんだね」
と頭抱えてる日本人2人を見て、爆笑しながらも優しいお言葉をくれている側から、次は貝の種類に突入しまして、貝も貝で鳥貝やらミル貝等種類がでてくるので、またしても日本人2人頭を抱えて、同じ戦法でShell fish (貝)の仲間だけど、とにかくなんらかの貝だよ!という感じで乗り越えていました。(多分乗り越えてはいない)

寿司がでてくる度に頭を抱えている私たちをしばらくみてて、ついにドイツ人が「ずっと言おうと思っていたんだけどさ、何の魚か興味はあるし、ちょっと面白いから黙っていたんだ。実は魚や貝の種類英語で言われても、メジャーな魚以外は自分はドイツ人だしその英単語や魚の知識がわからないから、結局わからないんだ」と。
日本人2人ここで、「確かにそうだよね!!!」となりまして、これで英単語クイズから抜け出せそうだったのですが、おまかせが終わり、寿司屋の大将が追加でウニの食べ比べとかどうですか?と提案してくれるもんですから、グルメなドイツ人が目を輝かせながら、ウニ大好き!食べたい!という感じになり、食べ比べなので私たちの前にウニの種類は3種類(バフン、ムラサキ、赤ウニ)なんですが、産地の違いを入れると4貫ほどでてきまして。。。
ここまできたらみなさんお分かりだと思いますが、ドイツ人が一応この違いが何かを教えて!笑と。。。
「sea urchin, sea urchin, sea urchin… 」だよと小さい声で訳した日本人2人がそこにはおりました。。。

とにかくドイツ人同僚がとてもエンジョイしてくれたので、頑張ってよかったなとは思ったのですが、しばらく頭の中で魚の英語名がぐるぐる回っていました。この話は今でも笑話になりますし、これ以降はもう少し魚名が訳せるようになったと思います(思いたい)。


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