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良いバーに出会って人生が豊かになった話
お酒が好きだ、バーが好きだ、そんな生活を続けてはや20年が経ちました。
飲むお酒やお店のチョイスも随分この20年で変わったと思いますが、お酒を飲んでる時間や空間が大好きで、今なおこの時間をとても大切にしています。
お酒の仕事がライフワークになったいま、改めてなぜ私はバーが好きなのかと考えると「良いバーに出会うと人生が豊かになるから」その一言に尽きる気がします。今回はそんな私のちょっぴり人生が豊かになった話を綴りたいと思います。
良いバーに出会った時のこと
随分と前の話ですが、夕食を食べたあといつもの流れでどこかバーに寄ろうと夫と話して街を歩いていました。
普段の夫は私が「ここはどう?」と提案するものに対しては、「いいね」、「ここにしよう」と返してくるのが、この日だけは中々いいねと言わない。
道沿いの3、4軒を提案しても入ろうと言わない夫に「今日がそういう気分ではなかったら帰ろう」と伝えても、夫が「こっちに行ったら何かありそうだからもう少しだけ探させて」と街灯も暗い路地裏に入っていくのでついていくと、そこにはバーがあったのです。その嗅覚はなんだと思いつつ、夫が入りたいと言うので、バーの扉をあけました。話は少しそれますが、夫は昔からこういう嗅覚がかなり鋭くて、動物的本能というのでしょうか、楽しむための本能には感心します。
話を戻すと、初めてのバーはいまだに扉を開ける時緊張します。バーテンダーの方は私たちをウエルカムか(たまにびっくりするくらいウエルカムではないバーがあるんです)、常連でもない私たちが入って大丈夫か、そんなことを思うからです。
数席しかないカウンターに腰を下ろすと、「メニューがないので飲みたいものをお知らせください」と。メニューがないとなると、自分の脳内飲み物ライブラリーの中からその日の気分に合わせて注文するのですが、パッと思いつく時とそうじゃない時があり、この時は長い間バーを探して歩いていせいか何が飲みたいかっていうことを全然考えてこなかった結果、飲みたい物が出てこなかったので、夫の真似をしてジントニックを注文しました。
このジントニックで使ってるトニックウォーターをきっかけにマスターとの親交が深まり気がついたら閉店の時間までいました。
バーでは本当に些細なことでもトピックになり話しに華が咲く、そんな時間も魅力的です。
常連になる
このバーに出会うまでもふらっとたまに行くバーも何軒かあったのですが、常連と呼べる頻度では行っておらず、近くに行ったら行くバーとして使っていました。
路地裏を歩いてたどり着いたバーは、初めて訪れた時の経験が忘れられず気がついたら週に1回、2回と足繁く通い始め、このバーに行くためにその近くでご飯を食べるようになり、目的が完全にバー時間をエンジョイしたいがためにその日の夜の予定が決まるライフスタイルに変わっていきました。
仕事で嫌なことがあった時も、嬉しいことがあった時も、何もなかった時も帰りにバーに寄って気持ちをリセットする、そんな心のリセットスイッチを押す場所としてこのバー時間が私の日常では欠かせない時間になっていました。嫌なことがあった日はそっとほっといてくれる、嬉しいことがあった時は「今日は何かいいことあったでしょ?」と話を聞いてくれる、そんなマスターの心遣いも、私の心の栄養でもありました。
年末の仕事納めの日は必ずバーに寄って帰らないと、私のその年は終われなかったのも思い出です。
未知の世界を垣間見る
私が常連になると、周りの常連の方も誰かわかる、自然と交流が生まれる。
自然と会話が生まれる以外、バーでは隣の方に勝手に話しかけるということはスマートな行いではないとの認識が私にもあるので自分から勝手に話すことはないのですが、マスターがこの方とこの方はきっと話が合うだろうなと思うと、話を振ってくれてカウンターに座ったみんなで話をするようになる。そういうことがきっかけで名前の知らない常連同士から、顔見知りの常連同士になり、より深い話をするようになる。今まで会社員として広がっていた交友関係とは違う業種や業界の方達と顔見知りの付き合いが生まれ、色々なことを教えてくれる。その経験が今まで私にはなかった知識を増やしてくれ、そして気がついたら自分の人生が少し豊かになってる、そんなことを実感するようになったのです。もちろん、たわいもない話で盛り上がることがほとんですが、それすら様々な観点が織り混ざって新しい発見に繋がる、バーの時間は魅力的です。
会社員をやっていたら経験をする機会もなかったことも、バーの常連の方と仲良くなり、仕事を辞めたあと時間があった私に少し手伝いに来ないかと声をかけてもらい、手伝いに行った時の話を知人にすると、お金払ってもその経験をしたいとそう言われる経験もバーで繋がった縁で体験しました。バー活動も多分趣味を持つのと同じ感じなんでしょうね。
お酒が好きという一つのことで繋がってる皆さんと、その時たまたま居合わせて時間を共有し、お互いに楽しい時間を過ごす、そういう日常が気がついた時には人生に華を少し添えてくれてる。
もちろんバーなのでお酒を嗜みに行くと、他のお客さんが飲んでいるお酒が気になり、真似して頼んでみると今まで知らなかった味に出会い、自分のお酒の辞書に新たにお酒の名前が加わる、お酒の知識が増える、この知識が増えていく感覚も私の人生に色を添えています。
こうやって増えていった人脈とお酒の知識でお酒のビジネス始めたので、人生何が始まるかわからないものです。
今回は良いバーに出会ったことで、私の人生がちょっぴり豊かになった話を書きましたが、今でも色々なバーに行き、そこで出会った方達との時間とお酒が人生を豊かにし続けています。
ちなみに旅先のバーで出会って意気投合したノルウェー人の夫婦を訪ねてノルウェーまで行った話はいつか記事で書きたいと思います。
バー愛が強いですが、お酒はほどほどに飲むのが健康にも良いですし、大人のスマートな飲み方だと思っています。が、それができない意思の弱い私です。