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森羅万象メタモルフォーゼ

文化の日に行われた
「針突のこころ」というイベントに参加した。

カニ文化に興味があるわたしにとって
錚々たるメンバーが登壇されていて
とってもおもしろかった。

カニの針突について
喜山荘一さんに質問をしてみたので
忘れぬうちにメモしておく。

Q カニの針突は宮古や池間でみられるが、奄美ではなぜみられないのか?

A奄美にもカニ儀礼が残っているので、
 カニがトーテム(祖霊)だった時代はあったはず。
 ただ、奄美は早くにカニからオカヤドカリにトーテムが移行したのではないか。
 宮古は、カニがトーテムの時代が長かったのではないか。
(喜山さんは、トーテムは時代によって変化していくという考え方をしている)

終了後も、喜山さんに質問してみた。

Q トーテムはなぜ変わるのか?
A その時代時代の背景が影響している

Q カニがトーテムになるのはどんな時代か?
A それまでは一族で社会が成り立っていたが、
 外部のものとの交流がはじまった「つらい」時代。
 カニは岩や珊瑚から生まれる、その子孫と考えられていた。

その後
話が芋づる式に膨らんでいって
脳がピカピカしたが、
時間がなくて、理解しきれていない。
もっとお聴きしたかった。

直接カニとは関係ないが、
捕食についての考え方が非常におもしろかった。
わたしの記憶なので曖昧な部分もあるが
だいたい以下の内容である。

蛙が蝶を食べることは、
現代のわたしたちから見れば捕食である。
しかし、
蝶の立場から考えてみると違って見える。
蝶が食べられることによって、
蝶は蛙にメタモルフォーゼ(変身)したと考える。
あるいは、蛙の中に蝶が宿っていると考える。

植物が蝶の幼虫に食べられる。
植物からすると、
食べられた場所は、
幼虫になったとことになる。

そう思って虫食いの葉をみると、
すこし違って見えてくる。
(針突はその虫食いの葉のようでもある)

おもしろい。
食べられるという見方は人間目線なのかもしれない。

蝶が食べられることはつまり
蝶が蛙に変身するということなのか。

今夜わたしが食べたイカは
わたしに変身したということなのか。

蚊に食われたわたしのほんの一部の血液は
蚊に変身したということなのか。

食べられるというと
被害的な感じがするが
変身するというと
ちょっとすごいことになっちゃった
ラッキーさすら感じる。

奇しくも、今夜は月が食べられる
月食である。

先日、奄美の星空ジャーナリストの荒木マサヒロさんとお話しした時も
とてもおもしろいことを聞いた。

これもわたしの曖昧な記憶だが。

月食は、月が食べられる、蝕まれる、
という見方をされることが多い。
不吉と言われることもある。

でも月の立場になって想像してみると
普段隠れられない地球の影に隠れられるということ。
それは、わくわくすることではないか。

ほんとうだ。
わくわくした気持ちで隠れんぼしている
月が想像された。

捕食の話も月食の話も、
あたりまえだと感じていた視点が崩壊する。

立ち位置を変えて
想像を膨らませてみると
全然違う事象がたちあらわれる。

現代のわたしたちのものの見方が
いかに固定されているかと
はっとさせられた。

あたりまえと思っていることは
あたりまえではないのだ。

さて、もうすぐ月の食が終わる。
せっかくなので
隠れんぼから姿を現していく
まるい月を観に行きましょう。

カニたちも
ざわざわと浜に向かっています。

カニ宇宙
あおきさとみ

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