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「リズと青い鳥」 を見た感想の巻

「リズと青い鳥」は原作:武田綾乃の「響け!ユーフォニアム」シリーズの中の1編であり、
京都アニメーション制作の同名アニメシリーズのスピンオフ作品です。

高校の吹奏楽部におけるイザコザや友情何かを描いた作品群であり、
「響け!ユーフィニアム」の主人公である黄前久美子が1年生時の2年生傘木希美と鎧塚みぞれ、
二人の友情を描いた作品です。

物語自体がそこまで面白い訳では無いし、ハリウッドとかのように簡潔なエンタメ作品でもないけど、
感情展開を映像・音楽含めた演出などで見せてくれる。
アニメに抵抗がないのであれば"映画"として楽しめる完成度の高い作品であると思う。


▼以下、感想(注意:ネタバレがあるだろうと思うよ)

傘木希美、外部からは身勝手にみえるが身内からは明るく人気者。
無神経な部分が引っかかる。最後の五線譜に掛かるように絵を書いちゃうとことか。
割と嫌いだ..
希美からみぞれへの感情はややドライで、
「私に懐いて後ろからついてくるヒヨコちゃんラヴ~」みたいな半端な母性のはけ口にしているような、
穿ち過ぎかもしれないけど、別の言い方をすると自分より格下に見ていたようにすら感じた。
だから自分から巣立ってほしくないと言う感じかもしれないし、
自分のコントロール下に置きたい(支配欲)みたいな感じがゼロではなかったかもしれない。
好きにはなれないぜ、傘木希美..
でも鎧塚みぞれにとっては本当に大事で特別な存在。ウェット。

そういった状況を架空の童話になぞらえて丁寧に描写し、
山場である1時間10分あたりのシーンは演奏も映像描写もとても良かった。
プロが「ここを山場にするぞ!」と思ったらちゃんとそうできるし、
「言葉なしでもきっちり感情を描写させるぞ!」と思ったらそうできるプロの仕事を見た。

自分はアニメや漫画で音楽を演奏して「すごい!」って作品内のキャラに言われたりするシーンが苦手で、なにが「すごい」のかが伝わってこないから苦手なのだけど、
構成と演出などの描写でそう思わせられるんだなといたく感心した。
それができるだけ名作だと思う気持ちがあるけど、
やっぱりそうなるまでに丁寧に組み上げていったという部分も合わせて名作であるように思う。