9.臓器移植
臓器移植について、あなたの考えを述べなさい。
■臓器移植(400字相当)
わが国では現在、死後の臓器提供を希望している人は1万6千人ほどだが、実際に移植を受けられる人は年間400人ほどだ。移植のチャンスは圧倒的に少なく、手術を受けられずに亡くなる患者も多い。その対応策としては、iPS細胞などの再生医療が期待されているが、実用化にはまだ時間がかかるだろう。現実的な対応策としては、ドナー登録者を増やすための普及活動があげられる。例年、臓器移植への意識を高めるため、全国の著名な建物をライトアップする「グリーンリボンキャンペーン」が実施されている。その様子はSNSを中心に広められているが、こうした試みは若い世代にアピールしやすいはずだ。また、臓器移植は個人の死生観の問題であると同時に家族の問題でもある。日頃の話し合いで、互いのリビングウィル(生前の意思表示)を確かめておくことが望まれる。(350字)
※数字については、2023年5月のもの。数字が覚えにくかったら「死後の臓器移植を希望している人は1万人以上いるが、実際に移植を受けられる人はその数パーセントだ」でもよいと思います。
※死後の臓器移植は亡くなった方がいて成り立つ行為なので、どんどん推進しようとは言いにくいところがあります。ですから、普及活動に言及する構成にしました。
■臓器移植(600字相当)
臓器移植とは、提供者(ドナー)から受給者(レシピエント)へ組織や臓器を移し植える医療行為を指す。現在の法律では、本人が生前に拒否の意思を示していなければ、家族の同意で臓器提供が可能である。臓器移植の最大の問題点は、移植を受けられるチャンスが圧倒的に少ないことだ。現在、日本臓器移植ネットワークに登録して待機している人は1万6千人ほどだが、移植を受けられる人は年間400人ほどだ。このため手術を受けられずに亡くなる患者も多い。その対応策として、iPS細胞などの再生医療が期待されているが、実用化には時間がかかるだろう。現実的な対応策としては、ドナー登録者を増やすための啓もう・普及活動があげられる。例年、臓器移植への意識を高めるため、全国の著名な建物をライトアップする「グリーンリボンキャンペーン」が実施されている。その様子はSNSを中心に広められているが、こうした試みは若い世代にアピールしやすいはずだ。また、臓器移植は個人の死生観の問題であると同時に家族の問題でもある。日頃の話し合いで、臓器提供を望まない意思表示も含めて、互いのリビングウィル(生前の意思表示)を確かめておくことが望まれる。(489字)
■臓器移植(800字相当)
臓器移植とは、提供者(ドナー)から受給者(レシピエント)へ組織や臓器を移し植える医療行為を指す。健康な人から提供される生体臓器移植と、亡くなった人から提供される死体臓器移植に分けられる。現在の法律では、本人が生前に拒否の意思を示していなければ、家族の同意で臓器提供が可能である。臓器移植の最大の問題点は、移植を受けられるチャンスが圧倒的に少ないことだ。現在、日本臓器移植ネットワークに登録して待機している人は1万6千人ほどだが、移植を受けられる人は年間400人ほどだ。このため手術を受けられずに亡くなる患者も多い。その対応策としては、iPS細胞などの再生医療が期待されているが、まだ開発途中であり、実用化には時間がかかるだろう。現実的な対応策としては、ドナー登録者を増やすための啓もう・普及活動があげられる。現在、臓器提供の意思表示は、運転免許証や保険証、マイナンバーカード、インターネットでも可能だが、十分に認知されてはいないようだ。例年、臓器移植への意識を高めるため、全国の著名な建物をライトアップする「グリーンリボンキャンペーン」が実施されている。その様子はSNSを中心に広められているが、こうした試みは若い世代にアピールしやすいはずだ。また、臓器移植は個人の死生観の問題であると同時に、家族の問題でもある。日頃の話し合いで、臓器提供を望まない意思表示も含めて、互いのリビングウィル(生前の意思表示)を確かめておくことが望ましい。(610字)
「ヒモノカシテジョージ」で解決策を整理してみる。
ヒト→人の意識を変える。人(ドナー)を増やす。
モノ→道具、施設・設備を活用しての啓もう。(免許証・保険証など。建物をライトアップ)
シクミ→キャンペーン
ジョウホウ→SNSの活用(情報の拡散)。これは仕組みの活用でもある。
■小論文弁当のレシピ
①臓器移植を定義すると、こういうことだ。②その現状は、こういうことだ(本人が生前に拒否していなければ、家族の同意で臓器提供が可能)。③ただ問題点としては、ドナー(提供者)が圧倒的に少ないことだ。③その解決策(対応策)を示す。④また、臓器提供の問題においては、リビングウィルも大切だ。
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