17.ボランティア
■ボランティアについて、あなたの考えを述べなさい。
■ボランティアについて(400字相当)
今日、ボランティアは、福祉や災害時の支援などにおける貴重な労働力として社会で認知されている。しかし、無償な行為であるが故に人手が足りなかったり、公共のための活動であるが故に、行政との混乱が指摘されている。それらの対応策として、まず、人手不足の問題だが、わたしは有償ボランティアを認めるべきだと考える。ある程度の対価によって参加者が増え、活動が活発化するなら、その方が社会的利益は大きいはずだ。 次にボランティアと行政の混乱の問題だが、互いの情報不足から、たとえば災害支援時に双方がうまく機能しなかった事例もあったと聞く。その解決策としては、いかに効果的にコラボできるかという視点に基づいた情報共有が望まれる。ボランティア活動が活発な社会は、人にやさしい、民主主義が成熟している社会だ。わたしもいつか機会があれば、何かの活動に参加したいと思う。(370字)
■ボランティアについて(600字相当)
今日、ボランティア活動は、福祉や災害時の支援など多岐にわたり、貴重な労働力として社会で認知されている。しかし、無償で、自発的な行為であるが故に、なりてが少なく、活動の維持がむずかしいという問題を抱えている。また、公共のための活動であるが故に、行政の仕事と重なる部分があり、その混乱も指摘されている。それらの対応策として、まず、人手不足の問題だが、わたしは有償ボランティアを認めるべきだと考える。貴重な労働力として社会から必要とされているのだから、あえて無償にこだわることはない。ある程度の対価によって参加者が増え、活動が活発化するなら、その方が社会的利益は大きいはずだ。次に行政との関係だが、行政がボランティアに頼りすぎたり、口を出しすぎるといった問題がある。★また、災害支援において、行政がボランティアの受け入れに不慣れで、うまく機能しなかった事例もあるようだ。★これらの解決策としては、行政の側に、ボランティアと上手に関わるためのノウハウが求められる。他の自治体の成功事例を参考にガイドラインを作成し、ホームページなどで公開して、ボランティア側とも情報共有を図っていくべきだ。わたしはボランティア活動が活発な社会は、民主主義が成熟している社会だと考える。(527字)
※文字数を減らすなら、★印の間の文章をけずる。
■ボランティアについて(800字相当)
ボランティアとは、無償で、自発的に、社会や公共のために活動する人を指す。今日、その活動は、福祉、災害時の支援など多岐にわたり、貴重な労働力として社会で認知されている。しかし、無償で、自発的であるが故に、なりてが少なく、人手不足から活動が維持できないケースがあるようだ。また、公共のための活動は行政の仕事と重なる部分があり、その混乱も指摘されている。では、どういう対応策が有効だろうか。まず、人手不足の問題だが、わたしは有償ボランティアを認めるべきだと考える。貴重な労働力として社会から必要とされているのだから、あえて無償にこだわることはない。ある程度の対価によって参加者が増え、活動が活発化するなら、その方が社会的利益は大きいはずだ。次に行政との関係だが、行政がボランティアに頼りすぎたり、口を出しすぎるといった問題がある。また、災害支援において、行政がボランティアの受け入れに不慣れで、うまく機能しなかった事例もあるようだ。これらの解決策としては、行政の側に、ボランティアと上手に関わるためのノウハウが求められる。他の自治体の成功事例を参考にガイドラインを作成し、ホームページなどで公開して、ボランティア側とも情報共有を図っていくべきだ。また最近では、マッチング・システムによって、ボランティアの仲介をする自治体も増えてきている。こうした仕組みも活動の支援として有効だろう。★今日、異常気象による災害や地震、高齢化などにより、誰もがボランティアに関わる可能性がある。要は、お互い様だ。★わたしはボランティアにおいても、ともに共生社会を築こうとする民主主義の理念が大切だと考える。(690字)
※文字数を減らすなら、二つの★印の間の文章をけずる。
「ヒモノカシテジョージ」で解決策を整理してみる。
ヒト(人手不足)、カネ(有償ボランティア)、ジョウホウ・シクミ(行政との情報共有、マッチング・システム)
■小論文弁当のレシピ
①今日、ボランティアは貴重な労働力として認知されている。②だが、人手不足や行政との連携不足という問題を抱えている。③その対応策としては、有償ボランティアや行政との効果的な情報共有があげられる。その事例を述べる。④今日、災害などにより、誰もがボランティアに関わる可能性がある。ボランティアにおいても、共生社会の実現という民主主義の理念が大切だ。
■別案 ボランティアについて(800字相当)
ボランティアとは、無償で、自発的に、公共のために活動する人を指す。今日、その活動は、環境保護、福祉、災害時の支援など多岐にわたり、貴重な労働力として社会で認知されている。しかし、無償であるが故に参加者が少なく、慢性的な人手不足に陥っているのも事実だ。また、自発的と言いながら、半ば強制的に活動させられているケースもあると聞く。さらには公共のためではなく、自身のために、進学や就職の際のアピールポイントとして利用している場合もあるようだ。では、こうした現状をどう捉えたらよいだろうか。まず、人手不足の問題だが、わたしは有償ボランティアを認めるべきだと考える。交通費や食事代、労働へのある程度の対価が得られることで、参加者が増え、それが活動の活発化につながるのなら、無償にこだわる必要はない。また、自発性にも、あえてこだわらず、学校教育のプログラムなどにこれまで以上に取り込んでいくべきだ。公共性も求めず、たとえば、自分探しの体験として利用されてよいのではないだろうか。まずは参加してもらうことが大事だ。今日の超高齢化社会において、政府は、高齢者が住み慣れた地域で介護や生活の支援が受けられる「地域包括ケアシステム」を推進している。だが、すでに関係職員の人手不足は深刻で、地域住民のボランティアへの参加が望まれている。また、異常気象による災害や地震の多発により、災害ボランティアの存在意義もこれまで以上に高まっている。無償、自発的、公共性といった前提条件にとらわれず、その活動の成果を重視する方が、より大きな社会的利益が期待できると考える。(669字)
■小論文弁当のレシピ
①ボランティアの特徴として、無償、自発的、公共性をあげることができる。今日、その活動は貴重な労働力として社会的に認知されている。②だが、課題もある。人手不足、半ば強制的な活動、進学や就職の際のアピールポイントとして利用されていることなどだ。③それらの対応策としては、有償ボランティアの活用、自発性や公共性を求めないことがあげられる。④これからは超高齢化社会の到来、自然災害の多発により、地域住民のボランティアや災害ボランティアの存在意義が高まっていくはずだ。⑤無償、自発的、公共性にとらわれない活動を認める方が社会的利益は大きいのではないだろうか。
※ボランティアについては、「地域包括ケアシステム」、「高齢化社会」、「少子化問題」の解答例でも扱っています。関連して覚えていくと、整理しやすいかもしれません。
※「共生社会」はオカズ(キーワード)として、「障がい者」や「高齢化社会」の解答例で使い回しています。
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