14.豊かさについて
■豊かさについて(400字相当)
わたしは、人生を最も豊かにしてくれるのは健康だと思う。もちろん、わたしたちの心を満たし、幸せにしてくれるものは他にもある。たとえば、お金、おいしいもの、趣味、大切な人と過ごす時間、やりがいのある仕事などだ。でも、そうした豊かさは、健康が土台にあって、初めて成り立つものだ。ケガや病気で行動や寿命が限られているとしたら、どんな楽しいことも心から満足することはできないだろう。ただ、人生を豊かにするには、体の健康だけでは足りない。心の健康も不可欠だ。心が健康な人は、自分らしく生き生きと暮らしている。そして社会で良好な人間関係を築いている。WHOの定義によると、心の健康は、社会的健康も意味しているそうだ。社会の一員である以上、わたしたちの豊かさは他の人と深く関わっている。誰かを幸せにすることで、自分も幸せになれる人が本当に豊かな心の健康も持っている人だと思う。(377字)
※豊かさがテーマの場合、問題解決型の小論文を構成しにくいのですが、取りあえず「ヒモノカシテジョージ」(ヒト、モノ、カネ、ジカンなど)に結びつけてみました。
小論文弁当のレシピ
①人生を豊かにしてくれるのは健康だ。②他にも人生を豊かにしてくれるものはあるが、健康が土台にあって成り立つものだ。③ただ、体の健康だけでは十分ではなく、心の健康も重要だ。④心の健康は、社会的な健康も意味している。他者を幸せにすることで、自分も幸せになれる人が、本当の豊かさを持っている人だ。
■豊かさについて(600~800字相当)
わたしは豊かさとは多様性のことだと思う。豊かな海では、魚や貝やイルカなど、いろんな生物が生息している。豊かな大地では、色とりどりの花が咲き、さまざまな穀物やフルーツを収穫できる。人間の社会においても、多様性があって、その中から自分の意思に基づいて選べることが豊かさだ。何も選べないとか、選択肢はたくさんあるはずなのに一つしか選べないのは貧しい社会だ。そうした社会にならないように、わたしたちの国は民主主義を採用している。他の人に迷惑をかけない限り、どんな思想や宗教も持つことができるし、職業も選べるし、学問や表現の自由も認められている。★自分の意思に基づいて選べることは、人間として尊重されていることを意味している。★そして、今日では医療の世界においても、選択肢の多様性は重視されている。インフォームドコンセントやセカンドオピニオンが、その例だ。これらの仕組みによって、患者は治療法や手術についての情報を得て、その中から自分が納得したものを選択できる。★★ターミナルケアにおいては、治療を拒否する選択肢だって認められている。★★病気やケガの時も、自身のQOL(生活の質)を保ち、人間らしくいられることが重要だ。わたしは、環境においても、社会においても、医療においても、多様性があることが豊かさであり、幸せの基本だと思う。(554文字)
※改行を多用すれば、800字相当でも行ける。
※文字数を減らすなら、★印の間の文章、★★印の間の文章は不要。
※医療の小論文で使ったインフォームドコンセントやセカンドオピニオンといったオカズ(キーワード)をここでも使いました。多少、押しつけがましい感じはありますが、覚えやすいし、何も書けないよりはいいかも。
小論文弁当のレシピ
①豊かさとは多様性のことだ。②多くの選択肢があって、そこから自分の意思で選べるのが豊かさだ。③それは民主主義の理念であり、医療の理念でもある。④患者が自分の意思で選べることは、そのQOLを保つために必要なことであり、幸せの基本でもある。
■豊かさについて(800字相当)
豊かさとは人の心を満たし、人を幸せにしてくれるものだと、わたしは思う。それは、お金だったり、おいしいものだったり、楽しい趣味だったり、大切な人と過ごす時間だったり、やりがいのある仕事だったりする。こんなふうに書いてしまうと、豊かさはとてもよいものに思えるけれど、一つ問題がある。それは、豊かさは人によって異なるということだ。たとえば住む場所を例にとっても、タワーマンションに住み、近代的な都市の風景を一望することに豊かさを感じる人がいる。だが、田舎で木の家に住み、畑を作ったり、自然の中を散策することに豊かさを感じる人もいるはずだ。こうした豊かさに対する考えの違いが拡大されていくと、社会が分断される状況だって生まれかねない。事実、最近では、「持続可能な開発」という言葉をよく耳にするが、これなどは経済の発展と環境保護という対立軸を調整するための仕組みだろう。わたしたちの社会は、時に相反する豊かさを求める人たちが同居しているのだ。このように人によって異なる豊かさだが、一つだけ、誰にでも共通する豊かさがある。それは健康だ。精神と体が健康でなければ、どれだけお金を持っていても、美しい風景を見ても、大切な人といても心から楽しくはないはずだ。健康は豊かさの基本であり、幸せの土台だ。そうした豊かさの基本に貢献できる看護師は、やりがいのある仕事だと、わたしは思っている。(583文字)
※ゴハン(文字数)を増やしたい場合は、『田舎で…』の文章の後に、たとえば以下の文章を足す。
『家が密集しているけれど、昔ながらの店屋があり、人情味あふれる下町に住みたい人もいるだろう。』
小論文弁当のレシピ
①豊かさは人を幸せにしてくれるものだ。②ただ、その豊かさは人によって異なる。わたしたちは、その異なる豊かさを調整しながら暮らしている。その一例が「持続可能な開発」だ。③ただ、万人に共通する豊かさもある。それは健康であり、幸せの土台だ。④そうした豊かさの基本に貢献できる看護師という仕事に、わたしはやりがいを感じている。
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