糖尿病の仕組みを、電車の改札を例に解説しました
私たちの血液中のブドウ糖(グルコース)は、様々な細胞外から細胞内へ進入する事でエネルギーとして利用されます。
細胞表面の膜上には、ブドウ糖の通り道があり、それはグルコース・トランスポーターと呼ばれています。そして、ブドウ糖がその通り道を通過する時には、インスリンが必要となります。
インスリンが足りないと、通り道のとびらが開きません。
また、インスリンがたくさんあっても、インスリンを感知しにくくなってしまうと、通り道が開きません。
いずれにしても扉が開かないと、血液中のブドウ糖量は増えてしまう。これが糖尿病です。
電車の改札を通過する時をイメージしましょう。みなさん一人一人がブドウ糖です。きっぷをインスリンに例えましょう。
きっぷが無くて、改札を通過できない
→(インスリン不足による糖尿病)
IC定期券のセンサーが鈍いと、どうなりますか?
何度もタッチして開けようとしませんか?
でも、結局開かなければ、やはり改札を通過できない
→(インスリンが効きにくい事による糖尿病)
インスリンが効きにくい事による糖尿病の代表例が、2型糖尿病です。
インスリン不足による糖尿病の代表例が、1型糖尿病です。2型糖尿病が進行しても、このパターンになります。
きっぷを忘れて改札を通れない場合、新たにもう1枚のきっぷを買うでしょうし、
IC定期券のセンサーが鈍って改札を通れない場合は、センサーを修理しますよね。
糖尿病治療も同じです。
血液中のインスリンが足りない方には、インスリンを増やすための薬を、インスリンの効きが鈍ってしまっている方には、効きを良くするための治療をします。
当院にご通院されている患者さんには、それぞれの薬がどのように働くのかを説明していますが、ご不明な事があれば診察室内でご遠慮なく質問してください。
姜内科クリニック
姜 信午
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?